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戦場よさらば A Farewell to Arms (1932)

1929年に発表された、アーネスト・ヘミングウェイの小説”武器よさらば”を基に製作された作品。
第一次大戦下のイタリア戦線で知り合った看護師と救護隊員の恋を描く、監督フランク・ボーゼイギ、主演ヘレン・ヘイズゲイリー・クーパーアドルフ・マンジュー他共演の恋愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:フランク・ボーゼイギ

製作
エドワード・A・ブラット
ベンジャミン・グレイザー
原作:アーネスト・ヘミングウェイ武器よさらば
脚本
ベンジャミン・グレイザー
オリヴァー・H・P・ギャレット
撮影:チャールズ・ラング
編集
オットー・ラヴリング
ジョージ・ニコルズJr.
美術・装置
ハンス・ドライアー
ローランド・アンダーソン
音楽:ミラン・ロダー

出演
キャサリン・バークレイ:ヘレン・ヘイズ
フレデリック・ヘンリー中尉:ゲイリー・クーパー
リナルディ少佐:アドルフ・マンジュー
ヘレン・ファーガソン:メアリー・フィリップス
牧師:ジャック・ラ・ルー
婦長:ブランシュ・フレデリック
ヴァン・キャンペン:メアリー・フォーブス
イギリス軍少佐:ギルバート・エメリー
スイス郵便局員:ハーマン・ビング
ジュリオ:アゴスティーノ・ボルガート

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1932年製作 88分
公開
北米:1932年12月8日
日本:1933年7月日 未公開
製作費 $800,000


アカデミー賞
第6回アカデミー賞

・受賞
撮影・録音賞
・ノミネート
作品・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
第一次大戦下、イタリア王国
イタリア陸軍の救護部隊に所属するアメリカ人の建築家フレデリック・ヘンリー中尉(ゲイリー・クーパー)は、負傷兵を運んで町に到着する。

イギリス赤十字の看護師モリーに注意を与えているイギリス軍少佐(ギルバート・エメリー)と話したフレデリックは、彼女の様子を見ていた同僚のキャサリン・バークレイ(ヘレン・ヘイズ)らが気になる。

婦長から解雇すると言われたモリーを気の毒に思うキャサリンは、荷造りを手伝おうとする。

イタリア人の外科医である友人リナルディ少佐(アドルフ・マンジュー)と再会したフレデリックは、互いに女好きであるために、その話で盛り上がる。
...全てを見る(結末あり)

自分の心を奪った看護師キャサリンに会わせると話すリナルディに誘われたフレデリックは、彼女の同僚ヘレン・ファーガソン(メアリー・フィリップス)を紹介すると言われる。

まず食事と酒だと言ってリナルディと楽しい時間を過ごしていたフレデリックは、空襲が始まったために避難する。

地下に避難したキャサリンは、その場にいた酔ったフレデリックの話を聞く。

空襲は終わり、同僚のシルビーに呼ばれたキャサリンは病院に戻る。

その後、前線から戻りパーティーに現れたフレデリックにキャサリンとヘレンを紹介したリナルディは、キャサリンと共に庭に向かう。

リナルディが飲み物を取りに行っている間にキャサリンと話したフレデリックは、地下で会ったと言われる。

フレデリックがアメリカ人で救護要員だと知ったキャサリンは、婚約者が出征したことを話す。

酒を持って現れたリナルディは二人を見て驚き、キャサリンから、ヘレンを連れてきてほしいと言われる。

8年付き合った婚約者は戦死したとフレデリックに話したキャサリンは、彼と共にその場を離れて木陰に向かう。

戻ったリナルディは、二人がいないことに気づく。

フレデリックに迫られたキャサリンはそれを拒み、彼の頬を殴ってしまうものの謝罪する。

優しくていい人だと思えて気が合うかもしれないと言うキャサリンは、今なら受け入れると伝えてフレデリックとキスする。

宿舎に戻ったフレデリックは、リナルディからキャサリンのことを訊かれるが、話す気になれず考え込む。

その後、フレデリックの救護隊はプラヴァに向かうことになるが、彼は町に引き返してキャサリンを捜す。

リナルディは、フレデリックが戻ったことを知る。

キャサリンと話しプラヴァに向かうことを伝えたフレデリックは、自分の気持ちを伝える。

それを理解したキャサリンは、ネックレスをフレデリックに渡し、リナルディがその様子を目撃する。

お守りだと伝えたキャサリンは、キスしようとするフレデリックにそれを拒み仕事に戻る。

二人のことでリナルディと婦長から報告を受けた少佐は、キャサリンをミラノに移動させることにする。

前線に向かい、同僚たちと共に食事をしていたフレデリックは、爆撃を受けて重傷を負う。

リナルディの治療を受けたフレデリックは、キャサリンがいるミラノの病院に運ばれる。

キャサリンに会えたフレデリックは、回復に向かう。

フレデリックと話をした従軍牧師(ジャック・ラ・ルー)は、現れたキャサリンと彼が共に人生を歩もうとしていることを知り、二人を祝福するために結婚の祈りを捧げる。

数か月後、療養生活を送っていたフレデリックは、キャサリンと共にヘレンを結婚式に招待しようとする。

キャサリンのことが心配なヘレンは、喜ぶことができない。

病室に戻ったフレデリックは、酒を隠してあることが婦長のヴァン・キャンペン(メアリー・フォーブス)に知られてしまい、前線に戻るよう指示される。

汽車で出発するフレデリックは、キャサリンに必ず戻ることを約束して、涙する彼女と別れる。

雨の中、駅に向かったキャサリンは汽車に乗るフレデリックの姿を見守る。

スイスブリサーゴに向かう決心をしたキャサリンは、その場に来てくれた、心配してくれるヘレンと共にホームに向かう。

その後、スイスで貧しい生活を始めたキャサリンは、フレデリックのことを想いながら手紙を書く。

フレデリックを女遊びに誘うものの断られたリナルディは、キャサリンから届いたフレデリック宛の手紙を返送してしまう。

キャサリンに手紙を出しても戻ってくることを牧師に話したフレデリックは、部隊を離れてミラノに向かうことを伝え、彼に別れを告げる。

前線で脱走兵として捕らえられたフレデリックは、隙を見て逃亡して川に飛び込み、貨物列車に乗り込みミラノに向かう。

看護師の宿舎に侵入したフレデリックは、眠っていたヘレンにキャサリンの居場所を訊くものの教えてもらえない。

子供の話をされたフレデリックは驚き、誰かが来ることに気づきその場を去る。

キャサリンを捜すフレデリックの新聞広告を見たリナルディは、彼に会い、少佐や牧師が戦死したと思っていることを伝える。

リナルディから英雄にしてやると言われたフレデリックは、兵士に戻る気はないと伝える。

それは無理だと伝えたリナルディだったが、キャサリンが妊娠していることを知り、彼女がスイスブリサーゴにいることをフレデリックに教える。

フレデリックに書いた手紙すべてが返送されてきたことを知ったキャサリンは、ショックで気を失ってしまう。

ヘレンに対するフレデリックの気持ちをようやく理解したリナルディは、ボートでブリサーゴに向かう彼を見送る。

治療を受けるものの衰弱するヘレンは、フレデリックのことを想う。

ブリサーゴ
病院に着いたフレデリックは、医師から、手術のために運ばれるヘレンには後で会えると言われる。

祈るしかないフレデリックは、手術室から病室に運ばれるヘレンを見つめながら、子供は男の子だったが死産だったことを医師から知らされる。

ヘレンが助かることを願うしかないと言われたフレデリックは、面会を待つ間に朝食をとることを勧められる。

カフェに向かったフレデリックは、終戦が近いという客達の話を聞きながら、ヘレンを救ってほしいと神に祈る。

フレデリックが来たことを知ったヘレンは、それを感じていたと言いながら、自分が死ぬことは話さないでほしいと医師に伝えて約束してもらう。

残された時間が長くないことを知ったヘレンは、化粧を直してフレデリックに会おうとする。

ヘレンに寄り添い話をしたフレデリックは、いつまでも愛すると伝える。

死んでも愛することを伝えたフレデリックは、他の女性は愛さないと伝える。

回復したら山の家に連れて行ってほしいと話すヘレンは、素敵な家を建てると言うフレデリックに、終戦後は帰国して建築家になってほしいと伝える。

もう一度、教会で結婚式を挙げようと言われたキャサリンは、自分は直に死んでしまうが、死にたくないとフレデリックに伝えて抱きしめてもらう。

怯えるヘレンを励ますフレデリックは、生きる時も死ぬ時も自分たちは決して離れないと伝える。

同じ考えだと伝えたヘレンは息を引き取り、休戦宣言の鐘は鳴る。

ヘレンを抱きかかえたフレデリックは窓辺に向かい、平和だとつぶやく。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
第一次大戦下、イタリア王国
イタリア陸軍の救護部隊に所属するアメリカ人の建築家フレデリック・ヘンリー中尉は、友人であるイタリア人の外科医リナルディから、イギリス赤十字の看護師キャサリン・バークレイを紹介される。
リナルディが心を奪われたというヘレンに惹かれてしまったフレデリックは、その後、彼女との親交を深める。
嫉妬したリナルディは、フレデリックが前線に向かった際に、ヘレンをミラノに移動させてしまう。
戦地で重傷を負ったフレデリックは、ヘレンがいるミラノの病院に運ばれ、彼女の看護を受けて回復し結婚を決意するのだが・・・。
__________

アーネスト・ヘミングウェイの小説”武器よさらば”を基に、第一次大戦下のイタリア戦線で知り合ったイギリス赤十字の看護師とイタリア陸軍に所属するアメリカ人救護隊員の恋を描く恋愛ドラマ。

「第七天国」(1927)と「バッド・ガール」(1931)で、アカデミー監督賞を既に2度受賞していたフランク・ボーゼイギが、主に舞台役者として活躍するヘレン・ヘイズと若手期待のスター、ゲイリー・クーパーの共演で描く恋愛メロドラマであり、クライマックスに向けて、平和へのメッセージが強く感じられる作品。

第6回アカデミー賞では、撮影、録音賞を受賞した。
・ノミネート
作品・美術賞

優柔不断な女好きのアメリカ人として登場する救護隊員のゲイリー・クーパーが、ヘレン・ヘイズ演ずる純真な心の持ち主である看護師との親交で、真実の愛を見つけて成長する姿が繊細なタッチで描かれている。

二人の交際の邪魔をする外科医のアドルフ・マンジューは、彼らの真剣な愛を理解し見守り励まそうとする友人を印象的に演じている。

常にヒロインのことを気にかけて心配する友人で同僚のメアリー・フィリップス、従軍牧師のジャック・ラ・ルー、婦長のブランシュ・フレデリックミラノの病院の婦長メアリー・フォーブスイギリス軍の少佐ギルバート・エメリースイスの郵便局員ハーマン・ビング、負傷したフレデリック(ゲイリー・クーパー)の世話をする男性アゴスティーノ・ボルガートなどが共演している。


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