2003年に発表された、ノーベル文学賞作家ドリス・レッシングの短編”The Grandmothers”を基に製作された作品。 姉妹のようにして育った2人が互いの息子と愛し合ってしまう禁断の恋を描く、原案、監督アンヌ・フォンテーヌ、製作総指揮、主演ナオミ・ワッツ、ロビン・ライト、ベン・メンデルソーン、ゼイヴィア・サミュエル、ジェームズ・フレッシュヴィル他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンヌ・フォンテーヌ
製作
フィリップ・カルカソンヌ
アンドリュー・メイソン
ミシェル・フェレ
バーバラ・キブス
製作総指揮
ナオミ・ワッツ
トロイ・ラム
シドニー・デュマ
原作:ドリス・レッシング”The Grandmothers”
原案
クリストファー・ハンプトン
アンヌ・フォンテーヌ
脚本:クリストファー・ハンプトン
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
編集
リュック・バルニエ
ケインウェン・ベリー
音楽 :クリストファー・ゴードン
出演
リル・ウェスタン:ナオミ・ワッツ
ロズ:ロビン・ライト
ハロルド:ベン・メンデルソーン
イアン・ウェスタン:ゼイヴィア・サミュエル
トム:ジェームズ・フレッシュヴィル
ハナ:ソフィー・ロウ
メアリー:ジェシカ・トヴェイ
ソール:ゲイリー・スウィート
オーストラリア/フランス 映画
配給 ゴーモン
2013年製作 111分
公開
北米:2013年9月6日
日本:2014年5月31日
製作費 $16,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州。
幼馴染のリル・ウェスタン(ナオミ・ワッツ)とロズ(ロビン・ライト)は、ビーチサイドの隣同士の家で姉妹のようにして育った。
事故死した夫テオの葬儀も終わり、リルは、息子イアンのことをロズと共に心配する。
ロズの夫ハロルド(ベン・メンデルソーン)も、父親を亡くしたイアンのことが気になり、同じ年の息子トムに彼を励ますよう促す。
数年後。 ある日、シドニー大学の演劇の専任講師のオファーを受けたことをハロルドから知らされたロズは、トムと共にシドニーに行ってほしいと言われる。 トムが相談もせずに応募したことを知ったロズは戸惑う。 ギャラリーで働くロズは、ハロルドから、シドニーに越したら自分のギャラリーを開くようにと言われる。 引っ越すつもりではあるが心の整理が必要だと、ロズはハロルドに伝える。 自分とリルが結ばれているように思っているハロルドのことを気にしながら、ロズは、2週間の予定でシドニーに向かう彼を見送る。 同僚のソール(ゲイリー・スウィート)からの誘いをいつも断っていたリルは、付き合う気がないことをロズに伝える。 ある夜、酔ったトムを介抱するために泊ったイアンからキスされたロズは、彼と愛し合ってしまう。 夜中に目覚めたトムはそれを知り、ショックを受けて海岸に向かう。 翌朝その場で目覚めたトムは、リルの家に向かい、シドニーには行きたくないことを伝える。 ここを離れたくないと言うトムにキスされたリルは動揺し、イアンがロズと愛し合ったことを知らされる。 イアンにとっては母親同然のロズが、そんなことをするはずがないと考えるリルに、トムは、以前からイアンが望んでいたのだと思うと伝える。 家に戻ったトムは、サーフィンに行くと言うイアンに、今日やめると伝える。 その日、一日中、考え込んだリルは、訪ねてきたトムが家に帰りたくないと言うために彼を泊める。 ベッドに入ってきたトムを拒まず、朝までそのままでいたリルは、彼と愛し合ってしまう。 家に戻ったトムにどこに行っていたのか尋ねたロズは、リルの家で自分達と同じことをしていたと言われ、彼の頬を叩いてしまう。 リルの職場に向かったロズは、自分達が何をしたのかを考え話し合う。 許されないことだということでロズと意見が一致したリルは、そのことをイアンに伝える。 イアンからロズを愛していると言われたリルは戸惑う。 諦めきれないイアンはロズの元に向かうものの、もう終わりだと言われる。 しかし、その後もリルとロズは互いの息子と愛し合い、幸せを感じてしまう。 息子達が自分達に飽きるはずだと考えるリルとロズは、成り行きに任せることにする。 家に戻ったハロルドは、トムの様子がいつもと違うことに気づき、ガールフレンドでもできたのかと思う。 ロズから、今はここから離れられない、別の場所で暮らすことが考えららないと言われたハロルドは、彼女の考えが理解できず、一人でシドニーに向かう。 イアンとトムが気まずい関係になる中、リルは追い払いたい気持ちだったソールから好意を告げられ、今後のことを話したいと言われる。 その場にいたロズから無理だと言われたソールは、リルから返事を聞きたいと伝える。 リルが答えないために失望したソールは、恥をかいたと言って立ち去る。 本気とは思っていなったリルはロズから鈍いと言われ、思わず笑ってしまう。 その後、リルとトム、ロズとイアンは何も気にせずに楽しい日々を過ごす。 2年後。 シドニー。 それを知らされたリルは、トムとメアリーの関係を気にする。 その後トムは、メアリーと自然に愛し合うようになる。 子供も生まれたハロルドは、ロズに対しての怒りはもうないことをトムに伝える。 トムのことを考えると不安なリルは、老いを感じる。 舞台が成功したたため、滞在を延ばすことをハロルドに提案されたトムだったが、やることがあると言ってリルの元に戻る。 トムの21歳の誕生日のために訪れたハロルドとメアリーを、ロズは歓迎する。 パーティーが始まり、メアリーが招待されていたために驚くリルは、トムから彼女を紹介される。 メアリーをホテルに送ってから行くとリルに伝えたトムだったが、メアリーに誘われて部屋に向かう。 翌朝、身を退く時が来たと言って悲しみを堪えるリルを慰めるロズは、イアンも恋人を持つべきであり、二人で立ち向かい終わりにする考えを伝える。 4人は話し合うものの、イアンはロズの考えに納得できず、リルは、謝罪するトムに正しい選択だと伝える。 トムとメアリーの結婚式が行われ、イアンは、度々、会うハナ(ソフィー・ロウ)とダンスなどをして過ごし、ロズは二人が気になるものの見守るだけだった。 自ら破滅を招こうとするロズを理解できないイアンは苛立つが、彼女は悲しみを堪えるだけだった。 荒れる海でサーフィンをしたイアンは、岩にぶつかり怪我をして病院に運ばれ、ロズはリルと共にその場に向かう。 リルからロズが来ていると言われたイアンは会うのを拒み、見舞いに来たハナを歓迎する。 ハナと親交を深めながらリハビリをするイアンは、彼女と愛し合うようになる。 各地を回ることになるトムと話したイアンは、ハナとは別れるつもりだと伝える。 ところが、妊娠したことをハナから知らされたイアンは、彼女との結婚を決意する。 数年後。 しかし、リルとトムが関係を続けていたことを知ったイアンは、ロズにそのことを伝えて怒りをぶつける。 トムが自分の母親と愛し合っていることをメアリーに話してしまったイアンは、ロズのせいだと言って彼女を責める。 メアリーは、話が理解できないハナに、ロズとイアンも愛人同士だという意味だと伝える。 それを認めたイアンは、今は関係を絶ち、ロズが終わらせたことをハナに話す。 結婚した時から騙されていたと悟ったメアリーは、娘を連れて行くと伝えてハナと共にその場を去ろうとする。 ロズから、ハナが気の毒だと言われたイアンだったが、愛していないと伝える。 孫に別れを告げようとしたロズは、イアンよりも酷いことをしたとメアリーから非難される。 自分達には二度と近づくなとトムに告げてほしいとロズに伝え、メアリーは子供達を連れてハナと共にその場を去る。 イアンは、やりきれない思いで涙する。 メアリーと子供がいないことを知ったトムは、ロズから、もう戻らないと言われる。 翌日、諦めたものの、結婚式の数週間後に再び関係が始まってしまったことをロズに話したリルは、続かないと思ったので言わなかったと伝える。 愛が生き続けていることを確かめたかったと、涙ながらに話すリルだったが、ロズは、全て自分のせいだったとつぶやく。 リルはそれを否定し、あなただけがまともだったと伝えるものの、ロズは、やはり自分に責任があると考える。 フローティング・ドックに泳いでいったイアンは朝の挨拶をして、リルとトムと共にその場にいたロズの隣に横たわる。
18歳になったイアンとトムの成長を見守るリルとロズは、自慢の息子達だと思う。
...全てを見る(結末あり)
リルの会社で働き始めたイアンは、演劇の道を歩むトムが1か月シドニーに行くことを知り励ます。
ロズと離婚し新しい生活を始めていた父ハロルドと共に舞台の演出に携わったトムは、新人女優のメアリー(ジェシカ・トヴェイ)の成功を確信する。
可愛い孫達に囲まれたリルとロズは、幸せな日々を送っていた。
*(簡略ストー リー)
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州。
未亡人のリル・ウェスタンは、幼馴染のロズとビーチサイドの隣同士の家で姉妹のようにして育った。
二人は、互いの18歳の息子イアンとトムと共に、家族のようにして楽しい日々を送っていた。
ある日、ロズの夫ハロルドは、シドニー大学の演劇の専任講師のオファーを受け、引っ越すことを妻に提案する。
複雑な思いのロズは、ある夜、イアンから迫られ愛し合ってしまう。
それを知ったトムはそのことをリルに話し、二人も愛し合ってしまう。
その件を話し合ったリルとロズは、許されないことをしたことで意見が一致するものの、関係を終わらせることはできず幸せを感じてしまう・・・。
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ノーベル文学賞作家ドリス・レッシングの短編”The Grandmothersを原作に、幼馴染で姉妹のようにして育った二人が、互いの息子と愛し合う関係になってしまうという禁断の恋を描くドラマ。
クライマックスでは息子達の家族は崩壊するのだが、残された主人公ら4人は、再び関係を続けていることを示唆して終わるラストも印象的な異色の内容となっている。
フランスで活躍するアンヌ・フォンテーヌの、男性では理解し難い女性の視点から描く演出と、人間関係の複雑さで混沌としかける雰囲気を払拭する、開放感のある美しい映像が印象的だ。
息子(ゼイヴィア・サミュエル)も美形だが、祖母役まで演ずるナオミ・ワッツは、老けを感じさせようとするシーンも多々あるものの、”美し過ぎる母親”を好演している。
こちらも40代後半とは思えない、結局は愛を選ぶものの、物事の本質を見極めて対処する女性を深く演ずるロビン・ライト、その夫のベン・メンデルソーン、その息子でリル(ナオミ・ワッツ)と愛し合うジェームズ・フレッシュヴィル、彼と結婚する女優ジェシカ・トヴェイ、イアン(ゼイヴィア・サミュエル)の妻ソフィー・ロウ、主人公に惹かれる同僚ゲイリー・スウィートなどが共演している。