| 顔を変えれば、人生は変わるはずだった。美貌を手に入れた男を待ち受けていたのは、かつての自分を演じるという皮肉な運命。アイデンティティを根底から揺さぶるブラック・コメディ。 監督アーロン・シンバーグ、主演セバスチャン・スタン、レナーテ・レインズヴェ、アダム・ピアソン他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アーロン・シンバーグ
製作
クリスティーン・ヴェイコン
ヴァネッサ・マクドネル
ガブリエル・メイヤーズ
製作総指揮
セバスチャン・スタン
アーロン・シンバーグ
脚本:アーロン・シンバーグ
撮影:ワイアット・ガーフィールド
編集:テイラー・レヴィ
音楽:ウンベルト・スメリッリ
出演
エドワード・ラミュエル:セバスチャン・スタン / 顔面変形を伴う疾患を抱える青年
イングリッド:レナーテ・レインズヴェ / エドワードの隣人である劇作家
オズワルド:アダム・ピアソン / エドワードと同じ病気の男性
カール:C・メイソン・ウェルズ / エドワードの不動産会社の同僚
ニック:オーウェン・クライン / イングリッドの恋人
ロン・ベルチャー:チャーリー・コースモー / エドワードがバーで話す男性
監督:パトリック・ワン
本人:マイケル・シャノン
アメリカ 映画
配給 A24
2024年製作 112分
公開
北米:2024年9月20日
日本:2025年7月11日
北米興行収入 $654,250
世界 $1,515,990
■ アカデミー賞 ■
第97回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
■ ストーリー ■
【 ニューヨーク 】
売れない俳優エドワード・ラミュエル(セバスチャン・スタン)は、神経線維腫症で顔面変形を伴う疾患を抱えていた。
エドワードは、新しい隣人で劇作家志望のイングリッド(レナーテ・レインズヴェ)と知り合い彼女に惹かれる。
定期的に医師の診察を受けていたエドワードは、自身の病気を治すための実験的な治療を勧められる。
容姿のこともあり内気なエドワードは、イングリッドへの恋愛感情を行動に移す勇気はなかった。
気さくなイングリッドと親しくなったエドワードは、彼女との関係や仕事のことを考え、治療を受ける決心をする。
治療を受けたエドワードは、体調の変化に苦しみながら、ある日、ただれた顔の皮膚が剥がれ落ちる。
整った顔になったエドワードは、訪ねて来た医師には、”ガイ・モラッツ”という名を名乗り、エドワードが自殺したことを伝えて友人を装う。
イングリッドは、2人の話を部屋の入り口で聞いてしまう。
その後”ガイ”は、不動産業者として成功して富を得る。
ある日エドワードは、イングリッドが自分の人生を基に書いた、オフ・ブロードウェイで上映する、”エドワード”という劇の上演準備をしていることを知る。
劇場に向かったエドワードは、予定者でははなかったが、オーディションを受ける。
後日エドワードは、医師から渡された、自分の古い顔の型取りマスクを使い再びオーディションを受ける。
イングリッドは、エドワードの顔と同じマスクをつけた”ガイ”に質問する。
エドワードは、”自分”を演じてみせると言って、イングリッドの質問を遮り演ずる。
イングリッドは、自分とエドワードが出会った時のことを再現する演技を見て、彼を主演に抜擢する。
エドワードと意気投合したイングリッドは、彼と性的な関係を持つようになるが、正体を知ることはなかった。
そんなある日、リハーサル中に、エドワードと同じ神経線維腫症を患い、劇に興味を持ったオズワルド(アダム・ピアソン)が現れ、エドワードらを驚かせるのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
“He traded his face for a chance at a new life, only to find himself haunted by the ghost of his past self. A chilling exploration of the masks we wear and the self-loathing we can never truly outrun.”
(新しい人生のために顔を捨てた。だが、彼を待っていたのは過去の自分という亡霊に追い詰められる日々。私たちが被る仮面と、決して逃げ切れない自己嫌悪を鮮烈に描き出す一作。)
本作が長編3作目のアーロン・シンバーグが監督し、主演はセバスチャン・スタン、レナーテ・レインズヴェ、レナーテ・レインズヴェ他共演。
深刻な病気を患う青年の複雑な心情を描く、重苦しい雰囲気で始まるドラマは、主人公が治療により普通の男性に変貌する劇的な展開に・・・。
その変化により、成功者となり富を得た主人公が、同じ病気でありながら、自信に満ちカリスマ性のある人物との出会いで、再び苦しみ始める姿がシニカルに描かれている。
主演のセバスチャン・スタンは、治療により”美しい青年”に変貌するものの、同じ病気を持ちながら、自分とは違う、陽気で皆に好かれる男性アダム・ピアソンとの出会いで人生が変わる、ナイーブな主人公を見事に演じている。
主人公の変貌を知らない、周囲の反応も興味深く描かれている。
隣人の劇作家(レナーテ・レインズヴェ)は、病気の主人公に親切に接していたが、変貌した本人と知らずに、彼からもらったタイプライターを、”ゴミ”のように扱っていると思わせる演出など、人間の本質を繊細に表現しているのも注目だ。
第97回アカデミー賞では、メイクアップ&ヘアスタイリング賞 にノミネートされた。
また、セバスチャン・スタンは、第82回ゴールデングローブ賞の、ミュージカル・コメディ部門で主演男優賞を受賞した。
