知的生命体探査に向かい消息不明となった父が直面した謎を解明しようとする宇宙飛行士の行動を描く、監督、脚本ジェームズ・グレイ、製作、主演ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド他共演のSF映画。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・グレイ
製作
ブラッド・ピット
デデ・ガードナー
ジェレミー・クライナー
ジェームズ・グレイ
アンソニー・カタガス
ロドリゴ・テイシェイラ
アーノン・ミルチャン
製作総指揮
マーク・バタン
ロウレンソ・サンターナ
ソフィー・マス
ユー・ドン
ジェフリー・チャン
アンソニー・モサウィ
ポール・コンウェイ
脚本
ジェームズ・グレイ
イーサン・グロス
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集
ジョン・アクセルラッド
リー・ホーゲン
音楽:マックス・リヒター
出演
ロイ・マクブライド少佐:ブラッド・ピット
H・クリフォード・マクブライド:トミー・リー・ジョーンズ
ヘレン・ラントス:ルース・ネッガ
イヴ・マクブライド:リヴ・タイラー
トーマス・プルイット大佐:ドナルド・サザーランド
リヴァス中将:ジョン・オーティス
ドナルド・スタンフォード:ローレン・ディーン
チップ・ガーンズ:グレッグ・ブリック
ターニャ・ピンカス:ナターシャ・リオン
ストラウド准将:ジョン・フィン
ロレイン・ディーヴァース:キンバリー・エリス
ウィリー・レヴァント:ショーン・ブレイクモア
フランクリン・ヨシダ:ボビー・ニッシュ
アメリア・ヴォーゲル副将:リサ・ゲイ・ハミルトン
ローレンス・タナー船長:ドニー・ケシュウォーズ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2019年製作 124分
公開
北米:2019年9月20日
日本:2019年9月20日
製作費 $90,000,000
北米興行収入 $50,188,400
世界 $127,461,870
■ アカデミー賞 ■
第92回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
近未来。
アメリカ宇宙軍/スペースコムのロイ・マクブライド少佐(ブラッド・ピット)は、宇宙飛行士としての資質は備えていたが、妻イヴ(リヴ・タイラー)の理解は得られずに離婚した。
太陽系の彼方との交信を続ける国際宇宙アンテナ内で勤務するロイは、ロボットアームの故障を修理する前に、診断のために船外活動を始める。
その際にロイは、謎のサージ電流に襲われて事故が起き落下してしまう。
心拍数80を超えることがない常に平静を保てるロイは、落ち着いてパラシュートを開き、地上に着地して救助される。
サージ電流は世界的に被害を及ぼし、ロイは、その件に関して軍の上層部から意見を求められる。
ストラウド准将(ジョン・フィン)に迎えられたロイは、特殊作戦部隊のリヴァス中将(ジョン・オーティス)と安全担当のアメリア・ヴォーゲル副将(リサ・ゲイ・ハミルトン)を紹介される。
最高機密と前置きされたロイは、”海王星”のスペクトログラム画像を見せられ、サージを起こした原因を知らされる。
ロイは、亡き父H・クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)が司令官として参加した、29年前の知的生命体探査”リマ・プロジェクト”のことを訊かれる。 探査船は16年前に行方不明になったのだが、父が海王星の周辺で生きていることを知ったロイは驚く。 サージが反物質反応であり、リマの動力源が反物質であることを説明されたロイは、その責任者だったのが父クリフォードだということを確認する。 制御不能な連鎖反応を起こす恐れがある反物質の放出は、太陽系の安定の脅威になり、生命が破壊される可能性があるため、ロイは、ある任務について説明を受ける。 ロイは、自分の個人メッセージを火星からレーザーでクリフォードに送る計画があることを、リヴァスから知らされる。 父が自分の言葉に反応する可能性があると言われたロイは、場所を特定して、サージを止める方法を考えているリヴァスの協力要請に対し、任務を引き受けることを伝える。 月に配備された長距離ロケットで火星に飛び立つことになったロイは、トーマス・プルイット大佐(ドナルド・サザーランド)と共に出発する準備をする。 木星から海王星に向かう途中で送信された、クリフォードの最後の交信を確認したロイは、監視役として月に同行するプルイットと話をする。 プルイットは、ロイの子供時代に会っていることを話し、今後は常に監視されると彼に伝える。 父は死んでいると考えるロイは、可能性は捨てるべきではなく、姿を隠しているのかもしれないと言うプルイットの話を聞く。 その後、イヴにメッセージを残そうとしたロイは、それを削除してしまい、打ち上げ前の最終的な遠隔心理検査を受ける。 プルイットと共に地球を飛び立ったロイは、順調な飛行を続けて月面に到着する。 火星ロケット”ケフェウス”に向かうことになるロイは、プルイットから、武装する護衛と共に目的地に行くこと知らされる。 クリフォードとの最後の会話のことを訊かれたプルイットは、計画を離れたことで、裏切り者呼ばわりされたとロイに伝える。 任務遂行は困難かと訊かれたロイはできると答え、計画に人生を捧げた父は英雄であり、非難する軍は卑怯だとプルイットに伝える。 ターミナルに着いたロイは、護衛のウィリー・レヴァント(ショーン・ブレイクモア)らと共に、紛争地帯にあるケフェウスの発射台に向かうことになる。 3台の月面ローバーで移動するロイらは、スカベンジャー・パイレーツに待ち伏せされ、レヴァントら護衛は殺されてしまう。 難を逃れたロイとプルイットは、何とか基地に到着する。 不整脈が検出されたプルイットは火星に行くことを断念し、軍の機密事項がインプットされたチップをロイに渡し、ケフェウスに向かわせる。 ロイは、ローレンス・タナー船長(ドニー・ケシュウォーズ)、フランクリン・ヨシダ(ボビー・ニッシュ)、ドナルド・スタンフォード(ローレン・ディーン)、ロレイン・ディーヴァース(キンバリー・エリス)らクルーと共に打ち上げの準備をして、プルイットが緊急手術のために搬送されたことを知る。 ケフェウスは打ち上げられ、安定飛行に入ったロイは、軍からプルイットに渡された情報をチェックする。 軍は、リマのクルーからと思われる救難信号を検出し、意図的に通信を絶っていた可能性がある父クリフォードの精神疾患を疑った。 ロイは、自分のメッセージにも応じない場合は、父クリフォードを始末してサージを止めるという命令を確認する。 その後、ノルウェーの生物医学研究用宇宙ステーションから救難信号を受信したタナーは、ミッションが優先され、他の船が対応できるというロイの意見を聞き入れずに、調査することにする。 宇宙ステーションに近づき、タナーとロイがその場に向かい中に入り、二手に分かれる。 ロイは、応答しないタナーが、脱出したヒヒに襲われていることに気づく。 ヒヒを殺したロイは、もう一匹が現れたために、負傷したタナーを連れてケフェウスに戻る。 スタンフォードが船長を代行することになり、タナーの死が司令部に報告される。 その後、タナーの遺体は宇宙空間に放出される。 心理検査を受けたロイは、怒りを感じたことを認め、かつて父の中に見た怒りで、自分の中にもあると伝える。 それを抑え込んだものの残ったのは心の傷だけであり、人と人間関係が築けないと言うロイは、父のようにはなりたくないと伝えて、心理検査は承認される。 火星に到着したケフェウスは、エルサ基地に接近するものの、サージに襲われる。 恐怖で怯えるスタンフォードに代わりロイが指揮を執り、冷静な判断でケフェウスを無事に着陸させる。 操縦したことへの理解を求めたロイは、軍には報告しないとスタンフォードに伝える。 地下基地に向かったロイは、所長のヘレン・ラントス(ルース・ネッガ)に迎えられる。 その後はチップ・ガーンズ(グレッグ・ブリック)が担当を代わり、ロイは、あらかじめ用意された、クリフォードに送るメッセージを録音する。 メッセージは送信されて応答を待つが、反応はなかった。 次のメッセージを録音しようとしたロイは、台本を無視して父への想いを感情的に語ってしまう。 メッセージは送信されて応答を待つが、ロイは、任務の終了を知らされて帰還することになる。 任務に適さないと判断されたロイは、心理検査で帰還が認められず、ストラウドへのアクセスも拒否され、安息室に隔離されてしまう。 ヘレンと話をしたロイは、彼女から、一度だけ地球に行ったことがるという話を聞く。 ロイは、核兵器を搭載したケフェウスが、深宇宙に向けて飛行する準備に入っていることをヘレンから知らされる。 1100人の命を預かっていると言うヘレンから、自分たちは死ぬのかと訊かれたロイは、分からないと答える。 自分の両親もリマの探査に加わっていたと言うヘレンは、互いに親を失った者同士として、情報の提供を求める。 サージはリマが発生源だと話したロイは、大惨事になる可能性が高く、自分は任務続行に不適格と判断されたとヘレンに伝える。 ヘレンは、父の生存に疑問を抱くロイに、機密事項である、リマの反乱に関する状況説明データを見せる。 司令官であるクリフォードから救難信号が発信される前に、クルーの精神的ストレスによる地球帰還要望を拒んだために反乱が起き、鎮圧のために生命維持装置を停止させたという映像をロイは確認する。 知的生命体を見つけるために、深宇宙に向かうつもりだというクリフォードのメッセージを見て、ロイは動揺する。 軍は、クリフォードを英雄にすることでイメージを壊すことを避けたと言うヘレンは、自分の両親を殺した怪物である彼に関する責任が、あなたにあるとロイに伝える。 ケフェウスに搭乗することを考えたロイは、ヘレンから途中まで案内すると言われ、その場から脱出して発射台がある地下湖に向かう。 ロイは、ロケットの発射と同時に船内に乗り込み、船長のスタンフォードに乗船したことを伝える。 緊急事態となり、ヨシダとディーヴァースがロイを拘束しようとする。 切り離しの衝撃でディーヴァースが壁に激突して死亡し、ロイはヨシダと格闘になる。 スタンフォードが発砲したために空気が汚染されてしまい、宇宙服を着ていたロイだけが助かる。 3人の遺体を宇宙空間に放出したロイは、海王星までの79日間の孤独な旅の中で、イヴや父との関係を振り返り、ストレスにより精神的、肉体的にも限界に達する。 何とか持ち堪えながら海王星に到着したロイは、シャトルに核兵器を搭載し、リマのステーションに向かう。 サージにより環の物体と衝突したロイは、シャトルが破損してしまい、ステーションにドッキングできなくなる。 船外に出たロイは、シャトルが漂流するのを確認しながらステーションに入る。 クルーの死体を見つけたロイは核兵器を設置し、唯一の生存者であるクリフォードと出会う。 クリフォードは、反乱で損傷した反物質電源の故障がサージの原因だと説明する。 ロイから帰還することを提案されたクリフォードは、ここが暮らす場所だと伝える。 地球外知的生命体の存在の可能性を信じて疑わないクリフォードだったが、ロイに説得されて宇宙服を着る。 核兵器の起爆装置をセットしたロイは、3時間後の爆発を確認し、クリフォードと共に船外に出る。 クリフォードは宇宙服のスラスターを使って飛び出し、ロープでつながれたロイと共に宇宙空間を漂流する。 フックを外すようクリフォードに指示されたロイは、行かせてほしいと言う彼に従う。 クリフォードを見送るロイはステーションに戻り、レーダーの板を外して環に向かう。 板を遮蔽板にして環を通り抜けたロイは、クリフォードと共にリマのデータをダウンロードしたことを考えながらケフェウスに戻る。 ロイは、ステーションの核爆発の衝撃波を推進力にして、43億キロ彼方の地球に帰還しようとする。 ロイは発進してステーションは核爆発を起こし、その衝撃波でケフェウスは推進力を得る。 地球に到達したロイは大気圏に突入し、無事に着陸して救出される。 体力が回復したロイは心理検査を受け、親しい人たちとの関係により自分に変化を感じ、愛し生きることを伝える。 その後ロイは、イヴと再会する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
近未来。
謎のサージ電流に襲われた地球は危機的な状況に陥り、アメリカ宇宙軍/スペースコムの宇宙飛行士ロイ・マクブライド少佐は、軍上層部に呼ばれる。
ロイは、29年前の知的生命体探査”リマ・プロジェクト”の司令官である父クリフォードが、”海王星”周辺で生きていることを知らされる。
サージが反物質反応であり、リマの原動力だったために、今回の件はそれが原因だと考えた軍は、ロイを”火星”に送り、クリフォードにメッセージを送るよう命ずるのだが・・・。
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ブラッド・ピットの”プランBエンターテインメント”が製作に参加した作品であり、彼が主演した意欲作で、ジェームズ・グレイが脚本を兼ねて監督したSF超大作。
どんな状況下でも冷静でいられる、宇宙飛行士としての資質を備えながら、それが原因で人間関係を築けない主人公の苦悩が切実に描かれた心理ドラマであり、脚本を兼ねるジェームズ・グレイの繊細な人物描写が見どころの作品。
最先端技術を駆使した宇宙への旅が描かれた作品ではあるが、アリがちな”A.I.”に支配された世界の中で展開する物語ではなく、あくまで主人公の心の葛藤を描く内容は逆に新鮮だ。
第92回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
北米興行収入は約5000万ドル、全世界では約1億2800万ドルのヒットとなった。
主演のブラッド・ピットは、沈着冷静な宇宙飛行士としての資質を備えながら、謎に直面しながら苦悩する主人公を好演している。
地球外知的生命体の存在を信じて深宇宙に向かおうとする主人公の父親トミー・リー・ジョーンズ、火星の施設責任者で主人公に協力するルース・ネッガ、主人公の元妻リヴ・タイラー、主人公の監視役として任務に同行する大佐のドナルド・サザーランド、主人公に任務を与える中将のジョン・オーティス、准将のジョン・フィン、副将のリサ・ゲイ・ハミルトン、探査ロケットのクルー、ローレン・ディーン、ドニー・ケシュウォーズ、キンバリー・エリス、ボビー・ニッシュ、主人公のメッセージを送信する担当者グレッグ・ブリック、火星のスタッフ役ナターシャ・リオン、月面で主人公らを護衛するショーン・ブレイクモアなどが共演している。