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アダム氏とマダム Adam’s Rib (1949)

地方検事補の夫と弁護士の妻が夫婦問題の裁判で対立する姿を描く、監督ジョージ・キューカー、主演スペンサー・トレイシーキャサリン・ヘプバーンジュディ・ホリデイトム・イーウェルデヴィッド・ウェインジーン・ヘイゲン他共演のロマンチック・コメディ

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・キューカー

製作:ローレンス・ウェインガーテン
脚本
ガーソン・ケニン
ルース・ゴードン
撮影:ジョージ・J・フォルシー
編集:ジョージ・ベームラー
音楽:ミクロス・ローザ

出演
アダム・ボナー:スペンサー・トレイシー
アマンダ・ボナー:キャサリン・ヘプバーン
ドリス・アッティンジャー:ジュディ・ホリデイ
ウォーレン・アッティンジャー:トム・イーウェル
キップ・ルリー:デヴィッド・ウェイン
ベリル・ケイグン:ジーン・ヘイゲン
オリンピア・ラ・ペール:ホープ・エマーソン
グレース:イヴ・マーチ
ライザー判事:クラレンス・コルブ
ジュール・フリッケ:エマーソン・トリーシー
マクグラス夫人:ポリー・モラン
マーカソン判事:ウィル・ライト
マーガレット・ブロデイ博士:エリザベス・フルノイ
裁判所の速記者:マーヴィン・カプラン
タクシー運転手:ウィル・スタントン
写真家:レイ・ウォーカー

アメリカ 映画
配給 MGM
1949年製作 101分
公開
北米:1949年11月17日
日本:1950年7月28日
製作費 $1,728,000
北米興行収入 $2,971,000
世界 $3,947,000


アカデミー賞
第23回アカデミー賞

・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
ドリス・アッティンジャー(ジュディ・ホリデイ)は、夫ウォーレン(トム・イーウェル)の浮気を疑い、仕事を終えた彼を尾行する。

あるアパートに向かったウォーレンを追ったドリスは、拳銃を手にして発砲し、鍵を壊して部屋に押し入る。

ドリスは、ベリル・ケイグン(ジーン・ヘイゲン)と抱き合うウォーレンを非難して罵り、興奮して発砲する。

我に戻り戸惑うドリスは、涙しながら、肩を撃たれ倒れているウォーレンに寄り添う。

翌朝、地方検事補のアダム・ボナー(スペンサー・トレイシー)と弁護士である妻アマンダ(キャサリン・ヘプバーン)は、新聞で事件のことを知る。

アダムは、妻ドリスを擁護するアマンダと口論しながらオフィスに向かい、その事件を担当することになり驚く。
...全てを見る(結末あり)

一方アマンダは、秘書のグレース(イヴ・マーチ)と浮気について話す。

アダムからの電話を受けたアマンダは、事件を担当することを知らされる。

アマンダは、今朝のアダムとの話を思い出しながら、ドリスに会おうとする。

病院に向かったアダムは、治療を受けたウォーレンと話し、結婚以来、異常だったと言って、ドリスを非難しながら興奮する彼を落ち着かせて、訴追のための情報を得ようとする。

ドリスに会ったアマンダは、3人の子供を持つ彼女が、ウォーレンから精神的虐待を受けたという話を聞く。

事件の詳細を訊かれたドリスは、外泊が続いていたウォーレンを撃つまでの経緯を話をする。

その夜・・・。
パーティーの来客を待つアマンダは準備を整え、帰宅したアダムから帽子をプレゼントされて喜ぶ。

アダムの両親を歓迎したアマンダは、向かいの部屋に住む人気シンガーソングライター兼ピアノ奏者のキップ・ルリー(デヴィッド・ウェイン)とエメラルド、マーカソン判事(ウィル・ライト)夫妻らを迎える。

判事から仕事について訊かれたアマンダは、夫を撃ったドリスの弁護をすることになったと話し、それを知ったアダムは驚く。

食事後にアダムとアマンダは、皆で自分たちの記録フィルムを見てその日のパーティーを終える。

終始不機嫌だったアダムは、ドリスの件から手を引くようにと、繰り返しアマンダに伝えて説得する。

アダムは、考えを変えようとしないアマンダに、法廷で徹底的に叩きのめすと伝える。

法廷に向かったアダムは、ベリルと一緒にいるウォーレンに挨拶し、現れたドリスが、アマンダにあげた帽子を被っていることに気づく。

ライザー判事(クラレンス・コルブ)の下で開廷し、陪審員の選出が始まり、アダムとアマンダはその時点では友好的だった。

その夜・・・。
帰宅したアダムは、アマンダと食事を作ることになり、再び事件から手を引くようにと言って説得する。

そこにアマンダが記事になった新聞を持ったキップが現れ、アダムは、皮肉ばかり言う彼の話を聞きながら、唇についたアマンダの口紅を拭く。

アダムは、アマンダに捧げる曲を歌うキップの態度に苛立つ。

翌日、ベリルが証言し、アマンダの追及でウォーレンの不倫が証明される。

その後、証言したウォーレンはアマンダから質問されて、ドリスを愛していないと言う彼は、彼女に殴られた話をして、言葉の暴力や外泊のことは認める。

アダムは、ウォーレンの行動はドリスに問題があったからだという証言を聞き出す。

証言したドリスは、事件が起きるまでの経緯をアマンダに話す。

ベリルを脅すために発砲し、2人を殺すつもりはなかったと話すドリスは、3人の子供がいる自分の家庭を彼女が壊そうとしたと言って涙する。

アダムの質問に納得できないアマンダは、その場で彼と言い合いになり、判事がそれを制止する。

その夜・・・。
アダムとマッサージをし合っていたアマンダは、彼がお尻を叩いたのを本気だと思い、憤慨して論になる。

法廷でのことを批判するアダムは、悔しくて涙するアマンダを、いつもの手だと思いながらも気遣う。

アダムの足を思い切り蹴ったアマンダは、気が済んだと彼に伝える。

翌日、アダムはこんな裁判は無意味だと判事に意見するが、アマンダは、女性の権利を主張する人々を呼び寄せ代表を選ぶ。

アマンダは、学問推進協会の化学顧問他、様々な役職と多くの学位を持つ化学者マーガレット・ブロデイ博士(エリザベス・フルノイ)、400人近い部下を持つ職工長のマクグラス夫人(ポリー・モラン)などの話を聞く。

曲芸を得意とするオリンピア・ラ・ペール(ホープ・エマーソン)は、その場でバク転を披露し、怪力自慢でもある彼女は、3人の男性選手と重量挙げを競った話をする。

バーベルごと選手を持ち上げたと言うオリンピアに、アダムを持ち上げられるか尋ねたアマンダは、試してもらう。

オリンピアが、馬鹿げた話だと言うアダムを軽々と持ち上げたため、その場は騒然となり、判事から下ろすよう指示される。

その夜・・・。
プレゼントを買って帰宅したアマンダは、アダムが口をきいてくれないために謝罪しようとする。

度が過ぎると言うアダムは、法への侮辱を含めたアマンダの身勝手な行動を批判し、周囲への影響も考えず夫婦の関係も壊したと伝えて、荷物をまとめて出て行く。

憤慨したアマンダは徹底抗戦を仕掛け、陪審員に、男女が逆転した場合のことを想像してもらい、法は男性に寛大だと言いながら、我が身に置き換えて公平な判断をしてほしいと訴える。

アマンダは、今回の事件は、家庭を守ろうとした女性が起こした事故だと陪審員に伝える。

アダムは、社会のためを考えた上での有罪判決を求めるが、アマンダが異議を申し立てたために口論になる。

アマンダは、被告を犯罪者扱いしたアダムを批判する。

アマンダを座らせたアダムは、被告のことではなく、アマンダの言動についての不満を語る。

ドリスが被っている帽子の話になったアダムは、自分が買ったものだと言って領収書を見せて、それを彼女から奪ってしまう。

判決の日。
陪審長は、被告を無罪にすることを判事に告げる。

ドリスは喜び、ウォーレンとベリルは落胆する。

判事は、被告を釈放して閉廷する。

記者たちの要望で、ドリスはウォーレンとベリルと握手する。

子供たちが現れ、ドリスとウォーレンは子供たちを抱きしめる。

アマンダに声をかけたアダムは、多くを語らずに法廷を去る。

その夜・・・。
キップの部屋にいたアマンダは、今回の裁判のことと結婚について考える。

アマンダは、キップに口説かれながらアダムのことを考える。

通りからキップの部屋の窓を眺めたアダムは、アマンダと彼のシルエットに気づく。

管理人から合鍵を借りたアダムは部屋に入り、抱き合っているアマンダとキップに銃を向ける。

動揺するアマンダは、”あなたにこんなことをする権利はない、誰もできない”と言ってしまい、アダムは、彼女の弁護の不当性が証明できたために満足する。

その言葉を聞きたかったと言うアダムは、銃をくわえて食べ始め、リコリス(甘草)だと2人に伝えて驚かせる。

憤慨するアマンダに、結局は自分が正しかったと伝えたアダムは、キップと続きをやれと言って出て行こうとする。

部屋に戻されたアダムは、アマンダとキップと喧嘩になる。

自分の部屋でアマンダと話そうとしたアダムは、彼女にそれを断られる。

離婚の危機を迎えたアダムとアマンダだったが、税金の話で、税理士ジュール・フリッケ(エマーソン・トリーシー)のオフィスで会うことになる。

別荘の話になったアダムは、2人で苦労して手に入れたことを思い出し、涙ぐんでしまう。

驚いたアマンダはアダムを気遣い、2人で別荘に向かう。

そして、その夜・・・。
アダムは、共和党に誘われて判事に立候補することをアマンダに伝える。

アマンダは、スーツケースに入っていた帽子を暖炉で燃やそうとするものの思い留まり、ベッドに座り、民主党の候補は決まっているかアダムに尋ねる。

アマンダが立候補するつもりだと疑うアダムは、再び泣いてやめさせると伝える。

ジュールのオフィスではウソ泣きしたのかと訊かれたアダムは、本当だがいつでも泣けるとアマンダに伝る。

泣いてみせたアダムは、何を証明したいか訊かれ、勝ち負けだとアマンダに答える。

自分が勝ち真実は判明し、差があったとしてもわずかだ言われたアダムは、”その小さな違いに万歳!/Vive la différence!”とフランス語でアマンダに伝える。

ベッドに飛び乗ったアダムは、カーテンを閉める。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ニューヨーク
地方検事補のアダム・ボナーと弁護士である妻アマンダは、夫婦問題のある事件のことを知る。
アマンダは、被告となった弱い立場の妻ドリスを擁護する。
夫ウォーレンの浮気現場に銃を持って押し入ったドリスは、2人に発砲し、彼に負傷させてしまったのだった。
起訴されたドリスの裁判を担当することになったアダムは、アマンダが彼女の弁護を行うことを知り驚く。
自分たち夫婦の戦いにもなるため、アダムはこの件から手を引くようアマンダを説得するのだが・・・。
__________

数々の秀作を手掛けていたジョージ・キューカーが監督し、脚本はガーソン・ケニンと女優で妻のルース・ゴードンが担当した。

地方検事補と弁護士を演ずる、既に5作で共演していた名コンビで、当時のパートナー同士スペンサー・トレイシージョージ・キューカーのお気に入りであるキャサリン・ヘプバーンの出演も話題になった。
*2人は1942年以降25年間で9作品で共演した。

地方検事補の夫と弁護士の妻が、夫婦問題の裁判で対立する姿を描くロマンチック・コメディ。

ガーソン・ケニンルース・ゴードンの当意即妙且つ洗練された脚本を活かした、ジョージ・キューカーの無駄のない軽快な演出、スペンサー・トレイシーキャサリン・ヘプバーンの息の合った絶妙な演技により、上質なコメディに仕上がっている。

第23回アカデミーでは脚本賞にノミネートされた。

1992年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

ミクロス・ローザとは思えなないコミカルな楽曲も注目で、挿入歌”Farewell, Amanda”は、コール・ポーターにより書かれた曲である。

浮気する夫を銃撃して被告となる女性を好演するジュディ・ホリデイ、その夫を愉快に演ずるトム・イーウェル、彼の浮気相手で本作がデビュー作のジーン・ヘイゲン、主人公の隣人である音楽家デヴィッド・ウェイン、裁判で証言する怪力の女性ホープ・エマーソン、同じく証人のポリー・モランとエリザベス・フルノイ、アマンダ(キャサリン・ヘプバーン)の秘書イヴ・マーチ、裁判の判事クラレンス・コルブ、主人公の税理士エマーソン・トリーシー、主人公の友人であるウィル・ライト、裁判所の速記者マーヴィン・カプラン、タクシー運転手のウィル・スタントン、写真家のレイ・ウォーカーなどが共演している。


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