会社の指示でスイスの診療所から社長を連れ戻すことになった青年の異様な体験を描く、製作、監督、原案ゴア・ヴァービンスキー、主演デイン・デハーン、ジェイソン・アイザックス、ミア・ゴス他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作
アーノン・ミルチャン
ゴア・ヴァービンスキー
デヴィッド・クロケット
製作総指揮
ジャスティン・ヘイス
モーガン・デ・グロゼイエ
原案
ジャスティン・ヘイス
ゴア・ヴァービンスキー
脚本:ジャスティン・ヘイス
撮影:ボジャン・バゼリ
編集
ランス・ペレイラ
ピート・ボドロー
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演
ロックハート:デイン・デハーン
ロックハート(9歳):ダグラス・ハミルトン
ハインリッヒ・ヴォルマー医師/フォン・ライヒマール男爵:ジェイソン・アイザックス
ハンナ・フォン・ライヒマール:ミア・ゴス
ローランド・ペンブローク:ハリー・グローナー
ヴィクトリア・ワトキンス:セリア・イムリー
ピーターソン副所長:エイドリアン・シラー
エンリコ:イーヴォ・ナンディ
ロン・ナイール:アショク・マンダンナ
フランク・ヒル:トーマス・ノルストレム
ハンク・グリーン:デヴィッド・ビシンズ
ウィルソン:カール・ランブリー
ホリス:リサ・ベインズ
ハンフリー:トム・フリン
技術者:ゴデハルド・ギーゼ
ピーター獣医:マグナス・クレッパー
ジョシュ:エリック・トッド
カール:ジェイソン・バビンスキー
ケアテーカー:ヨハネス・クリッシュ
ロックハートの母:レベッカストリート
ヘンリー・ロックハート:バート・ティッシュエンドルフ
酒場の主人:マイケル・メンデル
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2016年製作 146分
公開
北米:2017年2月17日
日本:未公開
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $8,106,990
世界 $26,620,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
大手金融企業の年間最優秀営業マンであるビル・モリスは、外国から社長代理ハンク・グリーン(デヴィッド・ビシンズ)に届いた手紙を開けようとする。
気分が悪くなったモリスは、ウォーターサーバーの水を飲む。
次の瞬間、発作を起こしたモリスは意識を失い息を引き取る。
__________
重役に昇進したロックハート(デイン・デハーン)は、スイス・アルプスの療養所に滞在することになったCEOのローランド・ペンブローク(ハリー・グローナー)を迎えに行くよう取締役会から命ぜられ現地にむかう。
__________
グリーン、ウィルソン(カール・ランブリー)、ホリス(リサ・ベインズ)、ハンフリー(トム・フリン)ら取締役に呼ばれたロックハートは、ペンブロークから届いた手紙を確認する。
今回の合併で、自社が東海岸で最大の金融企業になると言われたロックハートは、マネーロンダリングに絡んだことを指摘される。
自分を警察に突き出さない理由を尋ねたロックハートは、グリーンから、ペンブロークをスイスから連れ戻してほしいと言われ、合併には彼の署名がいることを知らされる。
ペンブロークと親しいモリスが適任だと考えるロックハートは、彼が死んだこを知り、仕方なくそれを引き受ける。 現地に着いたロックハートは、エンリコ(イーヴォ・ナンディ)が運転する車で療養所に向かう途中、施設に入っていた母(レベッカストリート)のことを考える。 昇進と旅立つことを母に話したロックハートは、戻ったらもっといい施設に入れると伝えるものの、戻ってこないと言われ、彼女が作ったバレリーナのオルゴールを見つめる。 村の若者にものをぶつけられたエンリコは、住人と療養所の人間は仲が悪いと伝える。 ロックハートからその理由を訊かれたエンリコは、歴史のせいだと答える。 フォン・ライヒマール男爵の城だった療養所に近づくロックハートは、最後の男爵は純血にこだわり、妹に自分の子を産ませようとしたというエンリコの話を聞く。 結婚式の夜、村人たちは男爵と妹を地下墓地に追い詰め、男爵の前で妹を焼き殺したのだが、城が焼け落ちたのは200年前の話だということだった。 車を降りたロックハートは、受付でペンブロークとの面会を求めるが、数分遅れただけでそれを断られる。 頼みを聞いてもらえないロックハートは、責任者と話そうとする。 待つことにしたロックハートは、携帯電話の電波が届かないために庭に向かい、患者のヴィクトリア・ワトキンス(セリア・イムリー)、フランク・ヒル(トーマス・ノルストレム)、ロン・ナイール(アショク・マンダンナ)らに話しかけらえる。 ロックハートは、庭のある場所の地下に何かがあることに気づく。 ピーターソン副所長(エイドリアン・シラー)と話したロックハートは、大手金融企業のCEOであるペンブロークに会わなくてはならないと伝え、施設の規則には従ってもらうと言われても諦めるわけにはいかなかった。 ビタミンだと言ってコバルト色の小瓶から液体を舌に垂らすピーターソンに、施設で行っている水治療のことを尋ねたロックハートは、古い帯水層の上に建っていて、水には若返りの効果があることを知る。 火事の後で施設が再建されたことを、写真を見ながらピーターソンに話したロックハートは、メモを残すことを提案されるものの納得できず、明日の夜行便でペンブロークを連れて帰ると伝える。 ペンブローク次第だと言われたロックハートは、治療が終わる7時過ぎに会えるよう手配することを約束してもらい、出された水を飲んでその場を去る。 施設を出たロックハートは、エンリコと共にホテルに向かう。 ロックハートは、城の塀の上に立つ少女(ミア・ゴス)が気になる。 村に向かう途中、突然飛び出した鹿と激突したエンリコはハンドルを誤り、車は横転する。 気を失ったロックハートは、亡くなった母を1人で火葬した時の夢から目覚め、病室にいることに気づく。 ロックハートは、その場にいた療養所の所長ハインリッヒ・ヴォルマー医師(ジェイソン・アイザックス)から、3日間、眠っていたことを知らされる。 会社には連絡したと言われたロックハートは、常に仕事を優先するグリーンが、治療のための休暇を許可したことを不思議に思う。 ヴォルマーから、体を休めて水をたくさん飲むようにと言われたロックハートは、彼が去った後で、腕時計が止まったことを気にしながら、窓から庭を眺める。 ロックハートは、コップの内側についていた小さな虫のようなものに気づく。 その後ロックハートは、右脚を骨折していたために松葉杖を使い、施設内を見て回りながらペンブロークの部屋を捜す。 看護師からペンブロークが蒸し風呂にいると言われたロックハートは、その場に向かう。 迷ったロックハートは、鹿が歩いているように見えた場所に向かい、1人でいたペンブロークに声をかける。 会社の者だと伝えたロックハートは、モリスが来ると思ったと言うペンブロークに、心臓発作で彼が死亡したことを知らせる。 ロックハートは、数日間でいいので連れ戻しに来たことを伝えるものの、病気なので無理だと言うペンブロークはそれを拒む。 会社の危機だと言われたペンブロークは、信頼する所長の指示に従うことをロックハートに伝える。 合併問題が知られて株価が急落したと言われたペンブロークは、ロックハートが、かつて同僚だったヘンリー(バート・ティッシュエンドルフ)の息子だということを知る。 息子を車に残し、ヘンリーが橋から飛び降り自殺したことを話したペンブロークは、正直者だった彼は潰されたとロックハートに伝える。 そういう世界だと言うロックハートにペンブロークは、そのように考える者は重症だと伝える。 ペンブロークは、すべては無意味だと思いながら真実が見えていたヘンリーと共に、自分たちは罪を犯したとロックハートに伝える。 株価を確認したペンブロークは、収支報告書の不正を合併前に修正してほしいと言われ、誰かが責任を負わなくてはならないことを確認して、ロックハートと共に戻ることにする。 車を手配してもらったロックハートは、庭にある廃墟のような場所が気になり、話しかけてきたヴィクトリアから、神父を吊るした教会があった場所だということを知らされる。 その当時、この場所の水の奇跡を求めて、人々が遠方から訪れたにも拘らず残酷な話だと言うヴィクトリアに、ロックハートは、純血を守ろうとした男爵が妹と結婚したからだと伝える。 そこにストックホルム出身のフランクとボンベイ出身のロンが現れてロックハートに挨拶し、ヴィクトリアも、40年”ゼロックス”勤務していたと言って、改めて自己紹介する。 3人にゲームに誘われたロックハートは、ペンブロークとニューヨークに戻ることを伝える。 ペンブロークが治ったことを知ったヴィクトリアらは、喜ばしいことだとロックハートに伝える。 母のオルゴールと同じ曲を口ずさむ、塀にいた少女の元に向かったロックハートは、他の患者と違い1人だけ若い彼女に話しかけ、患者なのか確かめる。 ヴォルマーから”特別”だと言われていると答えた少女は、ロックハートが帰ることを知り、帰る人はいないと伝える。 理由を訊かれた少女は、最高の場所だからだと答え、ある人物をニューヨークに連れて帰ると言うロックハートに、その人は帰りたいのか尋ねる。 それほどでもないと答えたロックハートは、歌っていた曲を誰に習ったか少女に尋ねる。 塔を見つめる少女は、その場から去ろうとする。 名前を訊かれた少女は、ハンナと答えて立ち去る。 その後ロックハートは、受付に戻っても誰もいないために、ペンブロークの部屋に向かうものの彼の姿はなかった。 食事中のヴォルマーにペンブロークのことを尋ねたロックハートは、病状が悪化したので治療を次の段階に進めたことを知らされる。 他の医者に診せたいと言うロックハートは、施設の治療法を疑い、裕福な患者たちはただの水に大金を払い、ぼろ儲けしているのではないかと話しながら、自分はペンブロークを連れ戻しに来たことを伝える。 ヴォルマーから顔色が悪いと言われたロックハートは、鼻血が出ていることに気づき、気分が悪くなり意識を失う。 ヴォルマーの診察を受けたロックハートは、デスクの上のハンナの写真に気づき、彼女が”特別”な患者だと言っていた理由を尋ねる。 幼いころのトラウマで発達が遅れたハンナは、11歳まで言葉も話せなかったのだが、自分にとっては娘同然だと、ヴォルマーはロックハートに伝える。 体液のバランスが悪く、臓器疲労と免疫不全寸前だというヴォルマーの診断を聞いたロックハートは、その進行状況は初めての例だと言われ、最後に元気だと感じたのはいつか訊かれる。 今のペンブロークには旅は無理だと言うヴォルマーは、ロックハートにも治療を勧める。 ペンブロークの資料を持ち出すことを考えたロックハートは、治療を受けることに同意する。 ヴォルマーが看護師にそのことを伝えている間に、ロックハートはペンブロークの資料を奪う。 コバルト色の小瓶を落としそうになったロックハートはそれを受け止め、ヴォルマーには気づかれなかった。 その場にあった”V・R”と刻まれたペンダントが、”フォン・ライヒマール”男爵のことだと気づいたロックハートは、建て直す際に見つかったペンダントが、男爵夫人”ヴァネッサ・フォン・ライヒマール”のものだということを知る。 病弱の妻のために男爵は治療法を探し、この地の水の効能を発見したことを、ヴォルマーはロックハートに話す。 ロックハートは、男爵は妻を”妹”のように愛していたと伝えて、ヴォルマーの反応を窺う。 歴史は道徳的には男爵を非難するが、科学を志す者として彼を崇拝していると、ヴォルマーはロックハートに伝える。 看護師と共に隔離病棟に向かうロックハートは、ヴォルマーから検尿を指示される。 尿を提出したロックハートは、ヴィクトリアの尿に異様な沈殿物があることを確認する。 治療は始まり、巨大なタンクに入れられたロックハートは、チューブで口から酸素を供給する状態で水を注入されることになり、ヴォルマーは、胎児への回帰を疑似体験させる。 ロックハートは、意識の中で子供時代(ダグラス・ハミルトン)を思い出す。 その場にウナギがいることに気づいたロックハートは、もがいて外に知らせようとする。 監視していた技術者(ゴデハルド・ギーゼ)は、現れた看護師の裸体を見ながら自慰行為を始める。 気づいてもらえないロックハートは、口にはめていたチューブが外れてしまう。 技術者は、看護師にコバルト色の瓶の液体を舌に垂らしてもらう。 意識を失ったロックハートは、父が自殺した時のことを考えながら、タンクの底のウナギの中に埋もれる。 技術者に助け出されたロックハートは、タンクの中に何かいると伝えるものの、水以外は何もなかった。 技術者と看護師から、幻覚を見る患者がいて、毒素が抜けていると言われたロックハートは、タンクの中で起きたことについて考える。 ペンブロークの資料を見たロックハートは、歯科治療のレントゲン写真などを確認する。 トイレのタンクからする音に気づいたロックハートは、レバーが微妙に動いていたために、それに触れて止める。 窓の外を見たロックハートは、ケアテーカー(ヨハネス・クリッシュ)が患者らしき者を運び込む姿を確認する。 翌朝ロックハートは、教会跡が今は何に使われているのかヴィクトリアに尋ねる。 知らないと答えたヴィクトリアは、男爵と妹の結婚について話し、村人が城を焼いた理由は、医学的な実験に気づいたからだとロックハートに伝える。 ロックハートは、行方不明者が続出し、発見された遺体はミイラのようだったと話すヴィクトリアに、男爵は病弱な夫人のために治療法を見つけていたと伝える。 パズルを解いていたヴィクトリアは、閃いたように”CURE/治療”という言葉をそれに付け加える。 看護師から治療の時間だと言われたヴィクトリアは、今朝受けたと伝えるものの、予定されていることを知り、この施設には闇があるとロックハートに伝えてその場を去る。 教会跡に向かったロックハートは、中に入ることはできず、その場にいたケアテーカーに建物のことを尋ねるが、ドイツ語で答えたために理解できなかった。 患者を運び込んでいたことを伝えたロックハートは、ケアテーカーがそれを否定したため、諦めて、自転車に乗っていたハンナの元に向かう。 ハンナと話したロックハートは、村に向かおうとする。 徒歩で向かうのかと訊かれたロックハートは、ハンナの自転車を借りようとする。 何かくれれば貸すと言われたロックハートは、母のバレリーナを渡し、脚のことを心配してくれる彼女に、一緒に行ってほしいと伝える。 外出は禁止だと言うハンナを説得したロックハートは、彼女と共に村に向かう。 村に着いたロックハートとハンナは、酒場にいた者と話し医者を探そうとする。 その場にいた軽傷だったエンリコと話したロックハートは、車は療養所が弁償してくれたことを知る。 現われた巡査と話したロックハートは、村には医者がいないことを知る。 店主(マイケル・メンデル)から、向かいに獣医のピーター(マグナス・クレッパー)がいること言われたロックハートは、ジョッキを持ってハンナの元に向かう。 いつから施設にいるのかハンナに尋ねたロックハートは、覚えている限りずっとと答えた彼女から、家族は母が火事で死に、父は自分が治ったら迎えに来るという話を聞く。 コバルトの瓶の液体を口にしたハンナは、試したいと言うロックハートの舌にそれを一滴たらす。 腐った魚のようだと言うロックハートに、笑いながら慣れると伝えたハンナは、1人でいられるか訊かれて、大丈夫だと答える。 ロックハートは獣医のピーターの元に向かい、ペンブロークの資料を見せるものの、人間は専門外だと言われたために、現金を渡して協力してもらう。 トイレに行ったハンナは、その場にいた少女から、生理が始まったと言われるものの、それが理解できない。 歯科のカルテなどもある内容を確認したピーターは、ペンブロークは病気であり、歯が抜け落ちているのは、持病がなければ慢性脱水症だとロックハートに伝える。 患者は水ばかり飲んでいると言われたピーターは、自分は医者ではないと伝えて話を終えようとする。 男爵の実験でミイラ化した遺体が見つかったこととの関連を考えるロックハートは、男爵は200年前に焼き殺されたと言うピーターに、ペンブロークもミイラ化していたと伝える。 男爵は病気の夫人の治療法を探していたと言う、ロックハートの言葉を遮ったピーターは、夫人は病気ではなく、子供を産めなかったとロックハートに伝える。 ハンナは、トイレに置き忘れてあった口紅を持ち帰る。 夫人は出産でず、奇形の子を母体が拒絶したとロックハートに話したピーターは、牛を安楽死させようとする。 ピーターは脚を折り下水の水を飲んでいた牛の腹を切り裂き、ロックハートは、胃の中から出たウナギなどを確認する。 青年にコインを渡されたハンナは、ジュークボックスの音楽をかけて踊り始める。 戻ったロックハートは、ハンナのことを気にしながらグリーンに電話をかける。 ペンブロークに持病がなかったことを確認したロックハートは、事故の連絡を受けていないこと知り、早急に戻らなければ会社も自分も終りだと言われて戸惑う。 ハンナの元に向かい、帰れる人がいないと話したことと、ペンブロークに会えない理由を尋ねたロックハートは、小瓶の中身は何だと言って彼女を問い詰める。 制止した青年に突き飛ばされたロックハートは、松葉杖で彼を殴り反撃する。 再びロックハートを突き倒した青年は、ナイフを手にして迫るものの、そこにヴォルマーが現れる。 その場にいた者たちはヴォルマーを恐れ、怯えるハンナは彼の車に乗せられる。 ハンナを気遣うロックハートは、ヴォルマーから、大人に見えても彼女は子供だと言われ、ペンブロークに会わせることを約束してもらう。 療養所に戻りハンナと話したヴォルマーは、何もなかったと言う彼女のことを心配し、危険な目に遭わせたくなかった。 自分は楽しんでいただけで、若いロックハートは他の人とは違うと言いながら、ハンナはいつ治るのかヴォルマーに尋ねる。 すぐだと答えてハンナを安心させたヴォルマーは、父に会えるか尋ねる彼女に微笑み頷く。 ベッドに寝かせられたハンナは、口紅を出して見つめる。 ロックハートは、ハンナが入っていたバスタブに、大量のウナギがいる夢を見て目覚める。 水を飲んで落ち着いたロックハートは、ケアテイカーが教会跡に患者を運び込む姿を見ながら、トイレのレバーが動いていることに気づき、それを止める。 口に違和感を感じたロックハートは、歯が1本抜けてしまい、それを看護師に渡す。 看護師が歯を牛乳に浸している間に、資料を見てペンブロークの居場所を知ったロックハートは、その場に向かい、そこで実験が行われていることを知る。 横たわるヴィクトリアに話しかけロックハートは、ペンブロークがこの場に移されたことを伝えて、男爵の行っていた実験が再開されていると言って、子供を産めなかった男爵夫人の話をしようとする。 実験ではないと言うヴィクトリアは、結婚の夜、妊娠していた夫人の胎児を村人は取り出し地下水脈に捨てたのだが、娘は生き残ったことを話し、ロックハートの腕をつかみながら、娘はそれを知らないと伝える。 ヴィクトリアの体内に何かがいることに気づいたロックハートは驚き、棚を倒してしまったために看護師に気づかれる。 その場から逃れたロックハートは、ヴィクトリアが運び出されるのを確認し、身を潜めながら、洗濯室で盗んだタバコを吸う。 その場の水槽に患者たちが入れられていることに気づいたロックハートは、ペンブロークを見つけても助けられなかった。 看護師に見つかったロックハートは、現れたヴォルマーに身勝手な行動を批判される。 歯が抜けたことを理由にしたロックハートは、歯科医ブレナンの治療を受けることになる。 ハンナのことをヴォルマーに謝罪したロックハートは、二度としないことを約束する。 村で何をしていたか訊かれたロックハートは、ビールを飲んでいただけだと答える。 診察台に拘束されたロックハートは、麻酔をかけないまま、前歯にドリルで穴を開けられる。 富豪夫人を送ってきたエンリコは、建物から逃げて来たロックハートを乗せて村に向かう。 警察で巡査と話したロックハートは、拘束されて歯を抜かれたことを伝える。 ロックハートは、自分がヴォルマーらの秘密を知ったために、脅迫されたことを巡査に話す。 遺体が標本のように水槽に浮いていたと話すロックハートは、ヴォルマーは人々に尊敬され、診療所は地域にとって重要だと言われたために、その場に行けば証拠を見せると巡査に伝える。 本人確認のために身分証の提示を求められたロックハートは、診療所に預けたと言って、会社の電話番号を巡査に教える。 巡査から協力を約束されたロックハートは、酒を飲んで落ち着くものの、その場にコバルト色の小瓶があることに気づく。 現れたヴォルマーとピーターソンは、巡査にロックハートは患者だと伝え、ナイフを手にして脅す彼が、問題ばかり起こしていることも話す。 ピーターソンは、歯科医にも乱暴したロックハートが、頭を殴り髪を引っ張ってでもペンブロークを連れて行くと言ったことも話す。 ロックハートは、ペンブロークを連れ帰るのが役目だと伝える。 会社に電話をした巡査は、証券取引員会に調査されることをグリーンから訊いたことをロックハートに伝える。 ロックハートから、実験や男爵夫妻のことも知っていると言われたヴォルマーは、心を病んでいる患者ヴィクトリアと親しくしていたので、ロックハートが彼女の話を信じたのだろうと巡査に伝える。 父親の死に関する、幼少期のトラウマを避けてきたと言われたロックハートは、そのことを知っている理由をヴォルマーに尋ねる。 それが原因で診療所に来たと言われたロックハートは、ペンブロークの遺体を見たと伝えるものの、ヴォルマーは、連れて来ていた本人の意見を聞こうとする。 帰国を強要したロックハートを、自分に近づけないでほしいと言うペンブロークの意見を聞いたヴォルマーは、ロックハートを患者として扱い診療所に戻る。 病室でパズルを解いていたロックハートは、トイレのレバーの動きを止めようとする。 止まらないためにふたを開けたロックハートは、ウナギがあふれ出たために驚くが、それが幻覚だと気づき、便器を外して壊してしまう。 役員に手紙を書いたロックハートは、任務を果たせず、治療を続けることを伝えようとする。 手紙を書くのを止めて、水を捨てたグラスを割り、それでギブスを剥がしたロックハートは、脚を骨折していなかったことに気づく。 教会跡に向かい通路の奥に進んだロックハートは、ウナギの研究をしている部屋にたどり着き、顔面のマスクも見つける。 肖像画の男爵夫人がハンナに似ていることに気づいたロックハートは、帯水層でミイラ化した遺体を見つける。 口紅をしたハンナは、プールの中で初潮を迎え、ウナギが彼女の元に集まる。 ケアテイカーが運んできたミイラ化した遺体は、ウナギのエサになる。 ロックハートは、ケアテイカーに襲いかかり殴り殺し、診療所に戻りハンナを連れて逃げようとする。 それを拒むハンナはロックハートを殴り倒し、食堂に向かう。 出血のことをヴォルマーに尋ねたハンナは、動揺する。 そこに現れたロックハートは、部屋に連れて行かれそうになり、興奮して暴れ始める。 ロックハートを落ち着かせたヴォルマーは、部屋で話し合うつもりだったが、それを拒まれる。 この施設が皆を病気にしていると患者たちに伝えたロックハートは、水やミイラ化した死体、歯が抜けていることなどを話し、治療ではないと言って説得する。 全員健康だと言うロックハートは、病気だと信じる患者たちに襲われる。 拘束されたロックハートは、ペンブロークがいる場所に連れて行かれ、体を装置に入れられる。 ヴォルマーは、容器に入ったウナギを見つめながら、10年しか生きられないウナギは、ここでは300年生きられると言って、この地の水は確かに有害だとロックハートに伝える。 適切にろ過すれば生命を回復させる効果があり、男爵はこの水を人間の体を使って精製し、生命力のあるエキスに蒸留することに成功したことをヴォルマーは話す。 ロックハートの口に無理矢理パイプ挿入したヴォルマーはウナギを注入し、エキスが抽出される。 大人になったハンナにドレスをプレゼントしたヴォルマーは、永遠に面倒を見ると言って、彼女と共にエキスを口にする。 ロックハートと話したハンナは、いつかはここを出られることを確認するが、最高の場所だと言われ、人が変わってしまった彼にバレリーナを返す。 ヴォルマーとハンナの結婚の儀式が行われ、2人は秘密の部屋に向かう。 バレリーナを見つめていたロックハートは我に戻り、男爵と妹の資料を見直す。 ベッドにハンナを縛り付けた男爵だったヴォルマーは、妹も最初は抵抗したが、お前が生まれたと伝える。 城の再建時の写真を調べたロックハートは、火傷を負い顔に包帯を巻いた男爵が、娘である幼いハンナの手を握っていることに気づく。 ハンナに暴行しようとするヴォルマーを制止したロックハートは、マスクを外し焼けただれた顔を見せた彼に殴られる。 ガソリンを撒いてあったロックハートはライターで火を点け、ヴォルマーは火だるまになる。 ハンナを助けようとしたロックハートは、火を消して襲いかかってきたヴォルマーに投げ飛ばされる。 祝宴会場にも火が回り、その場で踊っていた人々は驚き混乱する。 ヴォルマーはロックハートを追い詰めるが、拘束を逃れたハンナにスコップで頭を割られる。 帯水層に落ちたヴォルマーは、ウナギに食べられる。 ハンナは、ヴォルマーから渡されたペンダントを外し、帯水層に投げ捨てる。 逃げ出したロックハートとハンナは、療養所の火災に気づき、患者たちは庭で踊っていた。 ロックハートとハンナは自転車で村に向かうが、エンリコの車に衝突してしまう。 車から現れたグリーンら役員に、ペンブロークが死んだことを知らせたロックハートは、車に乗ることを拒む。 ホリスから正気ではないと言われたロックハートは、最高の気分だと伝えて、自転車にハンナを乗せて走り出す。 ロックハートは、笑いながらスピードを上げる。
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(ロックハートの歯は抜けていない)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
大手金融企業で最近、昇進したロックハートは、スイスの療養所で治療を始めたCEOのペンブロークを連れ戻すよう役員に指示される。
現地に着いたロックハートは、山頂にある城の跡に建てられた療養所に向かう途中、城の所有者だったフォン・ライヒマール男爵が、純血を守るために妹と結婚し、村人に焼き殺されたという話を運転手から聞く。
診療所に着いたロックハートは、異様な雰囲気のその場から、ペンブロークを連れ戻そうとするのだが・・・。
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”パイレーツ・オブ・カリビアン”シリーズのゴア・ヴァービンスキーが、自らの原案で製作も担当し監督した作品。
会社の指示で、スイスの診療所から社長を連れ戻すことになったエリート金融マンの異様な体験を描く心理ホラー。
超現実的な金融ビジネスの世界から、時間が逆行したようなスイスの山頂の療養所に向かった主人公の行動を淡々と描くドラマなのだが、度々、登場する幻覚や、現地で語り継がれる男爵夫妻の悲劇の物語により、観る者は混乱していく。
CEOを連れ戻すのが目的の主人公が、次第に自分自身がその場に来る必要があったかのように思わせるシーンなどを含め、現実と幻想の境目がなくなっていく。
それを観客に考えさせる演出はなかなか凝ってはいるが、恐怖や混乱を表現する映像は斬新さに欠ける。
純血を守る”生贄”のような存在の少女を救い出し、療養所から逃げる主人公が、ラストでわざと真っ白な揃った歯を見せて、結局は彼が体験した多くが幻想だったことを分からせて終わる結末も、やり過ぎ感がある。
主演のデイン・デハーンは、ニューヨークの大手金融企業という、超現実的な世界で生きていたものの、診療所の体験で次第に混乱していく主人公を熱演している。
主人公の子供時代ダグラス・ハミルトン、主人公を自分の世界に巻き込み利用する、診療所の所長である医師、そして男爵のジェイソン・アイザックス、その娘でありながら、父と結婚させられる少女を異様な雰囲気で演ずるミア・ゴス、主人公が連れ戻そうとする会社のCEO役ハリー・グローナー、主人公と親しくなる診療所の患者セリア・イムリー、診療所の副所長エイドリアン・シラー、主人公を診療所に送る運転手イーヴォ・ナンディ、患者のアショク・マンダンナ、トーマス・ノルストレム、主人公の上司である役員デヴィッド・ビシンズ、カール・ランブリー、リサ・ベインズ、トム・フリン、主人公に水中タンクの治療を施す技術者のゴデハルド・ギーゼ、主人公に協力する獣医のマグナス・クレッパー、主人公の同僚エリック・トッドとジェイソン・バビンスキー、教会跡に遺体を運ぶ男ヨハネス・クリッシュ、主人公の両親レベッカストリートとバート・ティッシュエンドルフ、村の酒場の主人マイケル・メンデルなどが共演している。