妻を殺され心を閉ざす男性と彼に惹かれた女性との恋を描く、主演ハーヴェイ・カイテル、エマニュエル・ベアール、ノーマン・リーダス他共演、監督、脚本マニュエル・プラダルによるサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マニュエル・プラダル
製作総指揮
ライオネル・クロッソン
スコット・マコーレー
ロビン・オハラ
製作
ミシェル・ペタン
ロラン・ペタン
脚本
トニーノ・ブナキスタ
マニュエル・プラダル
撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス
編集:ジェニファー・アウジェ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演
ロジャー・カルキン:ハーヴェイ・カイテル
アリス・パーカー:エマニュエル・ベアール
ヴィンセント・ハリス:ノーマン・リーダス
ビル・ウイナー:ジョー・グリファシ
ソフィー:リリー・レーブ
アシュリー・ハリス:キム・ディレクター
ジョー:ブライアン・タランティナ
ベン:パトリック・コリンズ
ウィル:チャック・クーパー
フランス/アメリカ 映画
配給 ARP Sélection
2006年製作 103分
公開
フランス:2006年10月11日
北米:未公開
日本:未公開
製作費 $7,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ヴィンセント・ハリス(ノーマン・リーダス)は、妻アシュリー(キム・ディレクター)を何者かに殺されて、心を閉ざしてしまう。
3年後、ブルックリン。
ある夜ヴィンセントは、同じアパートに住む女性アリス・パーカー(エマニュエル・ベアール)がトラブルを起したために、彼女を警察に迎えに行く。
アリスは、事件以来、塞ぎ込む心引かれるヴィンセントを何とか立ち直らせようと、彼の妻の殺害事件について調べる。
事件の担当刑事ビル・ウイナー(ジョー・グリファシ)に会ったアリスは、ヴィンセントが、目撃してすれ違ったタクシーとそのドライバーを捜すことにとりつかれていることを知る。
その夜、タクシーに乗ったアリスは、ドライバーのロジャー・カルキン(ハーヴェイ・カイテル)が、3年前にも同じ仕事をしていたかを聞き、その後、彼との時間を過ごし、翌日も会うことを約束する。 翌日、セントラルパークで奉仕活動の仕事を始めたアリスは、迎えに来たロジャーの部屋に向かい愛し合う。 ロジャーと頻繁に会うようになったアリスは、ダイナーに彼が立ち寄った際に、そこにヴィンセントがいることに気づく。 アリスはロジャーを呼び寄せてその場を去り、ヴィンセントはその後、道端にタクシーを止めていた、犯人と同じ色の赤いジャケットを着たドライバーに襲い掛かろうとする。 その後アリスは、目撃されたタクシーに傷があったことから、ロジャーの車を消火栓に接触させ、同じような傷をつける。 アリスはロジャーに謝罪し、赤いジャケットをプレゼントする。 ロジャーは、アリスの真意が理解できず、戸惑いを感じながらも彼女の”愛”を受け入れる。 チャイナタウン。 ヴィンセントはロジャーのジャケットに気づき、タクシーの傷も確認して、彼の車に乗ろうとする。 ロジャーがが犯人だと確信したヴィンセントは、一旦、車を降りる。 アリスに電話をしたロジャーは、彼女から何かを告げられそうになるが、ヴィンセントが戻ってこないために、彼の元に向う。 ロジャーを中国人に痛めつけるよう指示したヴィンセントは、タクシーのトランクに彼を閉じ込めて川に沈める。 アリスは、ロジャーのことを後悔しながら、たヴィンセントに誘われて愛し合う。 その後、目的を果たしたアリスとヴィンセントは同棲を始め、満ち足りた日々を過ごす。 5日後、警察によりタクシーは発見されるが、ロジャーの遺体は見つからず、消息を絶ったことがヴィンセントに知らされる。 そして、ロジャーはアリスの前に現われ、簡単な会話を交わすものの、動揺する彼女はその場から逃げ去る。 アリスをアパートに追ったロジャーは、川に落とされたタクシーのトランクから、奇跡的に助かったことを彼女に伝える。 全て自分が仕組んだことだと、正直に話したアリスは、この事件で何もかも失ったロジャーに呼ばれ、一緒に街を出ることを強要される。 選択できる立場でないアリスは、仕方なくロジャーと共に旅立つ。 しかし、翌朝、車内で寝ているロジャーの腹部に、鉄筋を突き刺してその場を逃れる。 アリスはヴィンセントの元に戻り、彼はロジャーが他殺体で発見されたことを知る。
...全てを見る(結末あり)
タクシーを運転してきたアリスは、深酒して眠ってしまったロジャーを起し、その場に現われたヴィンセントを確認し、彼も向ったドッグレースに賭けてきて欲しいと頼む。
*(簡略ストー リー)
妻を何者かに殺されたヴィンセントは心を閉ざし、犯人だと確信するタクシー・ドライバーを捜し続けていた。
ヴィンセントに惹かれる、同じアパートに住むアリスは、彼の心の傷を癒そうと考える。
アリスは、ヴィンセントが妻の殺害で心を閉ざしていることを知り、彼が事件の際、タクシーを目撃したことなどを知る。
そしてアリスは、タクシー・ドライバー、ロジャー・カルキンに目をつけて彼に接近する。
アリスは、ロジャーをヴィンセントが捜している犯人に仕立て上げようとするのだが・・・。
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70歳を過ぎた現在でも、ハリウッドを代表する演技派として活躍を続けるハーヴェイ・カイテルと、実際には親子ほど年の違うフランスの実力派スター、エマニュエル・ベアールが共演した官能のサスペンス・ドラマ。
魅力的なキャストではあるが、北米劇場公開はされず、日本でも未公開に終わった作品。
撮影当時60代半ばのハーヴェイ・カイテルは、年齢を感じさせない逞しい肉体を披露し、年齢不詳ではあるが、殆どノーメイクのために若くも見えないエマニュエル・ベアールも、40歳を過ぎているとは思えないプロポーションで体当たりの演技を見せてくれる。
結局は、妻殺しの犯人が捕まるわけでもない結末なのだが、混沌とする社会の中で、何とかその日を生き抜いている者達が、わずかに見える幸福を追い求めて、その象徴的な街の雑踏に向おうとする、ラストの主人公達の後姿が印象的だ。
重々しい演技から軽い雰囲気の役柄までこなす、芸幅の広いハーヴェイ・カイテルは、小作ではあるが、彼が出演しているだけで興味を引く、味のある魅力的な役者だ。
惹かれる隣人のために、見知らぬ男を殺人犯に仕立てる女性エマニュエル・ベアール、何も知らずに、その犯人を追い続ける妻を殺害された男性役ノーマン・リーダス、その妻役キム・ディレクター、事件担当刑事ジョー・グリファシ、ダイナーのウエイトレスで、ジル・クレイバーグの娘リリー・レーブなどが共演している。