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アバウト・シュミット About Schmidt (2002)

1996年に発表されたルイス・ベグリーの小説”About Schmidt”を基に製作された作品。
定年退職した男性が妻の死をきっかけにして新たな人生を歩もうとする姿を描く、主演ジャック・ニコルソンキャシー・ベイツホープ・デイヴィスダーモット・マルロニー共演、監督脚本アレクサンダー・ペインによるヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson 作品一覧
ジャック・ニコルソン / Jack Nicholson / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アレクサンダー・ペイン

製作総指揮
ビル・バダラート

レイチェル・ホロヴィッツ
製作
マイケル・ベスマン

ハリー・ギテス
原作:ルイス・ベグリー”About Schmidt”
脚本
アレクサンダー・ペイン

ジム・テイラー
撮影:ジェームズ・グレノン
編集:ケヴィン・テント
音楽:ロルフ・ケント

出演
ウォーレン・シュミット:ジャック・ニコルソン

ロバータ・ハーツェル:キャシー・ベイツ
ジーニー・シュミット:ホープ・デイヴィス
ランドール・ハーツェル:ダーモット・マルロニー
ラリー・ハーツェル:ハワード・ヘッセマン
レイ・ニコルス:レン・キャリオー
ジョン・ラスク:ハリー・グローナー
ヴィッキー・ラスク:コニー・レイ
ヘレン・シュミット:ジューン・スキッブ

アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ

2002年製作 125分
公開
北米:2002年12月13日
日本:2003年5月24日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $65,016,287
世界 $105,834,556


アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(ジャック・ニコルソン
助演女優賞(キャシー・ベイツ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ネブラスカ州、オマハ
全米有数の保険会社”ウッドメン”を定年退職した66歳のウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、妻ヘレン(ジューン・スキッブ)と共に社員主催のパーティーに向かう。

シュミットは、同僚レイ・ニコルス(レン・キャリオー)や後任らから長年の会社への貢献など称えられるが、席を外してバーに向かってしまう。

帰宅したシュミットは、一人娘ジーニー(ホープ・デイヴィス)からの電話を受けるものの、嫌っている婚約者ランドール・ハーツェル(ダーモット・マルロニー)とは話さなかった。

翌朝シュミットは、老後の楽しみとして購入したキャンピング・カーで、ヘレンと共に朝食をとる。
...全てを見る(結末あり)

その後、することもなくテレビを見ていたシュミットは、CMで流れた、恵まれない子供達を救うチャリティー団体に興味を持つ。

街に出たシュミットは、会社に顔を出してみるのだが、後任に歓迎もされず、自分の残した大量の資料が、廃棄されていることを知る。

帰宅したシュミットは、チャリティー団体からの資料が届いていることに気づき、参加費の22ドルと共に、養子となるタンザニア人の6歳の少年”ンドゥグ”に手紙を書き始める。

しかしシュミットは、相手にされなかった後任や、果たせなかった夢、妻ヘレンへの不満、最愛の娘ジーニーが、相応しくないランドールと結婚することなどを考えながら、それを書き終えて郵便局に向かう。

自宅に戻ったシュミットは、キッチンで倒れているヘレンに気づき、彼女は帰らぬ人となり葬儀の準備を始める。

シュミットは、デンバーから到着したジーニーとランドールを迎え、友人レイらに見守られながら葬儀を済ませる。

そんなシュミットは、こんな時にも拘らず、ビジネスの才能があると言って投資話をするランドールに呆れてしまう。

シュミットは、デンバーに戻るジーニーに、結婚を延期するべきではないかと意見する。

ヘレンも、それを心配していたように伝えたシュミットだったが、彼女と日取りなどを決めたと言うジーニーが苛立ったために、仕方なく引き下がる。

ジーニーは、安物の棺にした理由をシュミットに問い質し、二人は口論になってしまう。

飛行機の時間が迫ったジーニーとランドールを、空港で見送ったシュミットは、その後ンドゥグに手紙を書き、孤独で平穏な日々を過ごす。

2週間後。
ヘレンのいない家の中は荒れ放題となり、シュミットは、不満に思っていた彼女に会いたい気持ちが募る。

ところがシュミットは、ヘレンが隠してあった手紙を見つけてしまい、彼女が親友レイと関係を持っていたことを知る。

憤慨したシュミットは、ヘレンの衣類などを処分してしまい、レイに手紙をつき返して殴り掛かり罵倒する。

その夜、家を出る決心をしたシュミットは、キャンピング・カーに乗り、ジーニーのいるデンバーに向かおうとする。

途中、シュミットはジーニーに電話をするが、彼女は結婚式間近に来ればいいと言ってそれを断る。

シュミットは、仕方なく、昔訪れた地を訪ねて回ることにする。

ホルドリッジ。
生まれ故郷を訪れたシュミットは、生家のあった場所に立ったタイヤ・ショップに寄り昔を思い出す。

次にカンザスに向かったシュミットは、母校”カンザス大学”に立ち寄る。

ネブラスカに戻ったシュミットは、歴史博物館を訪れ、先住民と話し、”バッファロー・ビル”の家に寄り、骨董店で”フンメル人形”を見つけて、その素晴らしさに感心する。

トレーラー・パークで、ジョン・ラスク(ハリー・グローナー)と知り合ったシュミットは、彼に食事に招待される。

ジョンと妻ヴィッキー(コニー・レイ)に歓迎されたシュミットは食事を楽しむ。

食後にジョンが出掛けた際、ヴィッキーは、シュミットの印象を率直に話す。

ヴィッキーは、妻を失った悲しみなどよりも、心の奥底で、常に怒りと恐れ、そして孤独を感じているとシュミットに伝える。

シュミットは、出会って一時間で、自分のことを完璧に理解するヴィッキーに寄り添う。

さらにシュミットは、ヴィッキーにキスしてしまい、驚いた彼女に追い払われる。

焦ったシュミットはパークから立ち去り、レイに電話をして話し合おうとするが、メッセージを残せなかった。

その後も孤独な旅を続けたシュミットは、ヘレンを想いながら彼女を許す気持ちになる。

翌朝、心が洗われた気分になったシュミットは、ランドールの実家に着き、彼とジーニーを待つことにする。

シュミットは、ランドールの母ロバータ(キャシー・ベイツ)に歓迎される。

ロバータは、離婚した夫ラリー(ハワード・ヘッセマン)に手を焼いていたのだが、溺愛する息子ランドールのことを自慢する。

その後、ジーニーとランドールが到着して夕食となるのだが、シュミットは、家族の様子を観察して、その異様な雰囲気に驚く。

その後シュミットは、この結婚はするべきでないとジーニーに忠告するが相手にされず、祝福できないのならオマハに帰るようにと言われてしまう。

翌朝、慣れないウォーター・ベッドで首筋を痛めたシュミットは起き上がれなくなり、気が立っているジーニーに非難されてしまう。

ロバータに介抱されたシュミットだったが、やはり、彼女の話について行けない。

起き上がることはできたものの、体が不自由なまま、教会でのリハーサルに向かったシュミットは、ロバータに与えられた強い鎮痛剤で意識が朦朧とする。

シュミットの首は回復し、家族と共に食事をした彼は、帰宅後にジャグジーに入るようロバータに勧められる。

最高の気分を味わっていたシュミットだったが、ロバータが全裸で現れ体に触れてきたために、動揺してその場から立ち去る。

結婚式当日。
花嫁の父を無事に務めたシュミットは、その後のパーティーでスピーチをすることになる。

言葉に詰まるシュミットだったが、娘の晴れ姿を楽しみにしていた、妻ヘレンの話を始めてペースを掴み、どうしても話したいことがあると言って顔が強張る。

会場に一瞬緊張が走るが、シュミットはランドールに感謝して、彼の家族に歓迎されたことを話し、素晴らしい人々だと語り喜びを伝えて締めくくる。

それをラリーや出席者に称えられたシュミットは、トイレに向かい心を落ち着かせる。

その後オマハに向かったシュミットは、カーニーの”グレート・プラット川道路アーチウェイ記念館”に立ち寄り、開拓者達の勇気を確認し、自分の存在価値を考える。

自宅に戻ったシュミットは、タンザニアからの手紙に気づき、奉仕活動をするシスターからの伝言で、手紙を受け取っているンドゥグが感謝していることを知らされる。

そしてシュミットは、同封されていた、自分とンドゥグが手をつなぐ絵を見て涙する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ネブラスカ州、オマハ
全米有数の保険会社”ウッドメン”を定年退職した66歳のウォーレン・シュミットは、恵まれない子供達を救うチャリティー団体のCMに興味を持つ。
シュミットは、一人娘のジーニーが、相応しくない相手ランドールとの結婚が控えていることを気にしていた。
シュミットは、タンザニア人の6歳の少年の養父になった矢先に、42年間連れ添い老後を楽しもうとしていた妻ヘレンに先立たれてしまう。
することもなく、ヘレンにも不満ばかりを抱いていたシュミットだったが、彼女を亡くしてさすがに落ち込む。
しかしシュミットは、ヘレンがかつて、友人と関係を持っていたことを知り憤慨する。
そしてシュミットは、思い立ったように家を出る決心をして、キャンピング・カーに乗り独り旅立つのだが・・・。
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主人公とほぼ同年齢60歳を過ぎ円熟の演技を見せるジャック・ニコルソンの、一風変わった表情や物腰などが興味深い、実に味のある作品である。

66歳の人生経験豊富な初老の男性が、赤ん坊のように新しい人生を歩み始めほろ苦い体験記を切実に描く、アレクサンダー・ペインのユーモアを交えた繊細な演出も見どころの作品。

北米興行収入は約6500万ドル、全世界では1億ドルを超すヒットとなった。

第75回アカデミー賞では、主演男優(ジャック・ニコルソン)と助演女優(キャシー・ベイツ)にノミネートされた。

中盤以降の出演となる、独特のキャラクターで存在感を示すキャシー・ベイツだが、オール・ヌードまで披露する場面は驚きだ。

主人公の娘ホープ・デイヴィス、やや変わり者のその婚約者だが、メイクで人相を変え、なかなか印象深い演技を見せてくれるダーモット・マルロニー、その父ハワード・ヘッセマン、主人公の友人レン・キャリオー、主人公とトレーラー・パークで知り合う夫婦のハリー・グローナーコニー・レイ、主人公の妻ジューン・スキッブな どが共演している。


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