恋や挫折を経験しながらラップに夢を抱く青年の生き様を描く、製作、監督カーティス・ハンソン、主演、音楽エミネム、ブリタニー・マーフィ、キム・ベイシンガー、メキ・ファイファー、マイケル・シャノン、アンソニー・マッキー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:カーティス・ハンソン
製作総指揮
グレゴリー・グッドマン
ポール・ローゼンバーグ
キャロル・フェネロン
ジェームズ・ウィテカー
製作
カーティス・ハンソン
ブライアン・グレイザー
ジミー・アイオヴィン
脚本:スコット・シルヴァー
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集
ジェイ・ラビノウィッツ
クレイグ・キットソン
音楽:エミネム
出演
ジミー”B-ラビット”スミスJr.:エミネム
アレクサンダー”アレックス”ラトゥーノ:ブリタニー・マーフィ
ステファニー・スミス:キム・ベイシンガー
デヴィッド・フューチャー・ポーター:メキ・ファイファー
チェダー・ボブ:エヴァン・ジョーンズ
ソル・ジョージ:オマー・ベンソン・ミラー
DJ・アイズ:ディアンジェロ・ウィルソン
ジャニーン:タリン・マニング
グレッグ・ビュール:マイケル・シャノン
ウィンク:ユージン・バード
パパ・ドク:アンソニー・マッキー
リリー・スミス:クロエ・グリーンフィールド
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2002年製作 110分
公開
北米:2002年11月8日
日本:2003年5月24日
製作費 $41,000,00
北米興行収入 $116,724,080
世界 $242,875,080
■ アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞
・受賞
歌曲賞”Lose Yourself”
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1995年、デトロイト。
プロのラッパーを目指す青年ジミー”B-ラビット”スミスJr.(エミネム)は、アフリカ系の若者が支配するラップ・バトルに果敢に挑戦する。
ジミーはステージに上がるが、客席の野次に圧倒されて一言も発せずにその場を立ち去ってしまう。
比較的裕福な住民居住区と”8マイル・ロード”で分断された、貧民街のトレーラー・ハウスで暮らす母ステファニー(キム・ベイシンガー)の元をジミーは訪ねる。
ジミーはプレス工場で働いていることを、ステファニーの恋人グレッグ・ビュール(マイケル・シャノン)に馬鹿にされ、口喧嘩になる。
しかし、恋人ジャニーン(タリン・マニング)と別れたジミーは行き場がなく、トレーラー・ハウスで暮らすことになる。 ラップ・バトルのホスト、デヴィッド”フューチャー”ポーター(メキ・ファイファー)は、ジミーに自信を付けさせるために、チェダー・ボブ(エヴァン・ジョーンズ)、ソル・ジョージ(オマー・ベンソン・ミラー)、DJ・アイズ(ディアンジェロ・ウィルソン)を誘い路上で腕試しを始める。 デトロイトでNo.1と自称する、”フリーワールド”に絡まれたジミーらは、その場を退散してクラブに向かう。 ラップ業界のコネをちらつかせる、ウィンク(ユージン・バード)がジミーらに接近するが、フューチャーは彼の話を信じなかった。 その場でジミーは、プレス工場でも見かけて、気になっていたアレクサンダー”アレックス”ラトゥーノ(ブリタニー・マーフィ)に声をかけられる。 アレックスは、最高のラッパーだという噂のジミーが、ゴミためのような工場で働いているのことに疑問を抱く。 ウエイトレスとして資金を貯めているアレックスは、モデル・コンテストで優勝し、ニューヨークに出ることを夢みていた。 ウィンクの家で楽しみ、廃屋に放火して騒ぎまくる仲間達を見ながら、ジミーとアレックスは互いを意識し合うようになる。 そしてアレックスは、ジミーが成功者なる予感がすることを彼に伝える。 そんな時、ステファニーの元に立ち退き命令が届き、彼女はショックを受ける。 ジミーは、グレッグを当てにして働きもしないステファニーに、娘リリー(クロエ・グリーンフィールド)のために自分で稼ぐべきだと苦言を吐く。 工場に現れた、別れた恋人ジャニーン(タリン・マニング)を避けようとしたジミーは、彼女にラップ・バトルで恥をかいたことを馬鹿にされてしまう。 その後ウィンクが、ライバルのパパ・ドク(アンソニー・マッキー)に接触しているのを路上で見かけたジミーは憤慨する。 ジミーはウィンクに言い寄り、仲間達と共に争いになる中で、チェダーが拳銃を取り出して誤って自分を撃ってしまう。 チェダーの命は助かるが、フューチャーは当てにならないウィンクを再びからかい言い争いを始め、ジミーは嫌気がさしてしまう。 さらに、何の解決策も考えない生活を送る母ステファニーを見たジミーは、高望みの夢を捨て、地に足をつけるべきか迷い始める。 そんな時、アレックスの口添えで、ウィンクがようやくデモの録音の段取りを決め、ジミーはその準備を始める。 ステファニーの頼みの綱グレッグは、彼女らの立退き要求を知り彼女を見捨ててしまい、ジミーは窮地に立たされる。 フューチャーが、ジミーに断りもなくラップ・バトル出場を申し込んだため、ジミーはそれが気に食わずフューチャーと仲違いしてしまう。 グレッグに捨てられたステファニーは絶望し、それをジミーのせいにして彼を罵る。 ウィンクの元に向かったジミーは、彼がアレックスを抱いている現場に出くわし、ウィンクを殴り倒してしまう。 しかし、パパ・ドク達と共にウィンクが仕返しに現れ、ジミーは脅されて痛めつけられる。 ビンゴで大金を手に入れたステファニーは、ウィンクのデモ録音がなくなったジミーが、自分の力で道を切り開くと聞き、母親らしくそれを支持する。 仕事で残業を言い渡されたジミーだったが、ニューヨークに行くというアレックスが現れ、その夜のラップ・バトルに出ることを勧められる。 ジミーは同僚に仕事を頼み、会場の”シェルター”に向かう。 仲間達に出くわしたジミーは、バトルに出場することを彼らに知らせる。 パパ・ドクらはジミーをからかうが、フューチャーが現れて睨みを利かせ、彼はジミーと和解して勇気を与える。 そして、いよいよバトルは始まり、ホストのフューチャーがジミーをステージに呼ぶ。 客席のブーイングの中、最初のバトルでジミーは大ウケして、次のステップに進む。 次の相手も撃破したジミーは、ファイナルでパパ・ドクと対戦することになる。 パパ・ドク VS B-ラビット(ジミー)の世紀の対決を前に、会場は興奮の坩堝と化す。 タイトルを持つパパ・ドクは先攻をジミーに譲り、対決は時間延長の90秒となる。 ジミーは、悲惨な生活や自分をさらけ出し、パパ・ドクら”フリーワールド”の面目を潰してぶちのめす。 圧倒されたパパ・ドクは、言葉を失いマイクを捨ててしまう。 そして、フューチャーがB-ラビット(ジミー)のチャンピオン決定を叫び、ジミーら”3-1-3rd”の連呼の中、会場の若者達はジミーを称える。 仕事に戻るというジミーにフューチャーは、一緒にホストをやろうと誘う。 しかしジミーは、フューチャーに自分の道を歩むことを伝え、その場を立ち去る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
デトロイト。
プロのラッパーを目指す青年ジミーは、中産階級居住区と、”8マイル・ロード”を隔てた貧民街で、母ステファニーと幼い妹と共にトレイラー・ハウスで暮らすことになる。
昼間はプレス工場で働くジミーは、アフリカ系の若者達が支配するラップの世界に挑戦していた。
ラップ・バトルでの優勝を目指して、プロになることを夢見るジミーは、ウエイトレスとして働き資金を貯めてモデル・コンテストで優勝し、ニューヨークに出ることを夢みるアレックスと出会い、惹かれ合うようになる。
そんなアレックスは、ジミーが成功者なる予感がすることを彼に伝える。
しかしジミーは、働きもせず何の解決策も考えない母ステファニーを見て、高望みを捨てて地に足をつけるべきかを迷い始める・・・。
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主演のラップ界のスーパースター、エミネムの自伝的な作品であり、映画初主演とは思えない真に迫る彼の演技は素晴らしく実感のこもったものになっている。
アメリカの自動産業の中心地デトロイトを舞台にした、貧困や挫折感から逃れようとする青年の、ラップに対する思いとその生き様を、超大国アメリカの抱える大きな社会問題と共に描いた、カーティス・ハンソンのエネルギッシュな演出は圧巻だ。
アメリカの文化そのものの、ラップの世界に全く馴染みがなくとも、登場する若者達のパワーが画面から伝わり、押し付けがましくない友情物語等も、実に爽やかに描かれている。
当初は若者の青春映画のように捉えられていたが、エミネムの好演などにより作品は公開直後から評判となり、北米で約1億1700万ドル、全世界では約2億4300万ドルの大ヒットとなった。
第75回アカデミー賞では、主演のエミネム自身が歌う主題曲”Lose Yourself”が、歌曲賞を受賞した。
一度は主人公を裏切るものの、モデルとして逞しく生きる決意でニューヨークに向かうことになるブリタニー・マーフィ、男に頼り自立しようとしない母親役で、同じカーティス・ハンソンの「L.A.コンフィデンシャル」(1997)でアカデミー助演賞を受賞したキム・ベイシンガー、娘クロエ・グリーンフィールド、主人公の才能を認め支援するラップ・バトルのホスト役のメキ・ファイファー、同じく仲間達エヴァン・ジョーンズ、オマー・ベンソン・ミラー、ディアンジェロ・ウィルソン、主人公の元恋人役のタリン・マニング、母親の恋人役マイケル・シャノン、主人公をコネで利用しようとする男ユージン・バード、ライバル・ラッパーのアンソニー・マッキーなどが共演している。