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21グラム 21 Grams (2003)

2人の男性と1人の女性の1つの心臓が関係する運命を描く、製作、監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、主演ショーン・ペンナオミ・ワッツベニチオ・デル・トロ他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ショーン・ペン / Sean Penn / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

製作総指揮:テッド・ホープ
製作
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

ロバート・サレルノ
脚本:ギレルモ・アリアガ
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集:スティーヴン・ミリオン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

出演
ポール・リヴァース:ショーン・ペン

クリスティーナ・ペック:ナオミ・ワッツ
ジャック・ジョーダン:ベニチオ・デル・トロ
メアリー・リヴァース:シャルロット・ゲンズブール
クローディア・ウィリアムズ:クレア・デュヴァル

マリアンヌ・ジョーダン:メリッサ・レオ
マイケル・ペック:ダニー・ヒューストン
ジョン牧師:エディー・マーサン
産婦人科医:ジョン・ルビンシュタイン
ロスバーグ医師:デニス・オヘア

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2003年製作 124分
公開
北米:2003年12月21日
日本:2004年6月5日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $16,248,700
世界 $60,427,840


アカデミー賞 ■

第76回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(ナオミ・ワッツ
助演男優(ベニチオ・デル・トロ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
前科者のジャック・ジョーダン(ベニチオ・デル・トロ)は、今ではジョン牧師(エディー・マーサン)の宗教センターに、妻マリアンヌ(メリッサ・レオ)や子供達と通う熱心な信者だった。

数学教授のポール・リヴァース(ショーン・ペン)は、心臓病で余命1カ月と宣言され、移植手術のためドナーを待っていたが、妻メアリー(シャルロット・ゲンズブール)は、夫の命がある間に、何とか妊娠することを望んでいた。

しかしポールは、自分には意味のないことだと言ってメアリーに協力しようとしない。

ある日、電話を受けた主婦クリスティーナ・ペック(ナオミ・ワッツ)は、夫マイケル(ダニー・ヒューストン)と娘達が事故に遭い病院に搬送されたとの連絡が入る。
...全てを見る(結末あり)

自宅の誕生パーティーに遅れたジャックは、呆然としながら、男と少女二人をはねてしまったことを、マリアンヌに伝える。

マイケルの危篤と、娘2人の死亡を医師から知らされたクリスティーナは、駆けつけていた父親の腕の中で泣き崩れる。

その後クリスティーナは、脳死状態のマイケルの、臓器提供の決断を迫られる。

メアリーは不妊治療を受けることを決め、ポールは彼女のために人工授精に同意する。

病院からの連絡を受け、心臓の提供者が現れたため、ポールは移植手術を受けることになる。

父親と妹クローディア(クレア・デュヴァル)に付き添われたクリスティーナは、待合室のメアリーに気づくこともなく病院を後にする。

車をガレージに隠すようジャックに指示したマリアンヌは、ジョンと事故現場を確認し、帰宅して、被害者が死亡したことを彼に伝える。

ジャックは、引き止めるマリアンヌに、神への義務だと言って警察に出頭する。

失意のクリスティーナは、家族のいない現実から立ち直れず、ドラッグや酒に溺れる。

手術が成功したポールは順調に回復し、それを祝ってくれた友人の前で、メアリーが子供が授かれる可能性を皆に伝える。

葬儀の日、クローディアは、自首した前科者の男を告訴するようにと、警察から連絡があったことをクリスティーナに伝える。

しかし、何もする気になれないクリスティーナは、家族は戻らないと言ってそれを拒む。

私立探偵を雇い、規則で知ることが出来なかったドナーを探し当てたポールは、その妻クリスティーナやひき逃げ事件、そして、少年時代から悪事を繰り返して服役もした犯人ジャックのことも知る。

不妊治療の手術を受けることになったメアリーだったが、産婦人科医(ジョン・ルビンシュタイン)との話し合いで、彼女が、別居中に中絶をした事実をポールは知ってしまい、二人の心は離れてしまう。

面会に来たジョンに、今回の件は事件ではなく、自分が神に選ばれたことだと語ったジャックは、自ら命を絶とうとするが失敗に終わる。

クリスティーナの監視を始めたポールは、スポーツ・クラブで彼女に声をかける。

その後、あるクラブでドラッグを飲んだクリスティーナに、危険だと言ってポールは運転を代わり、彼女を自宅に送る。

スポーツ・クラブで、クリスティーナに再び声をかけたポールは、彼女を家に送り翌日の食事の約束をする。

その後、吐き気などの体調の異変を感じたポールは、主治医のロスバーグ(デニス・オヘア)の元に向かい、今の心臓が長くは持たないことを知らされ、入院を勧められる。

入院を拒否したポールは、クリスティーナとの食事を楽しみ、彼女の家に招かれる。

クリスティーナの家族の写真を見ていたポールは、気分が悪くなり、彼女に好意を伝えてその場を去る。

夜中にクリスティーナに呼ばれたポールは、彼女に求められ、自分が夫の心臓を移植されたことを伝える。

それを聞いたクリスティーナは取り乱し、ポールを家から追い出してしまう。

翌朝、ポールが、家の前で車中泊をしていることに気づいたクリスティーナは、命を助けられた彼が感謝したかったことを知り、その後2人は愛し合う。

証拠不十分で出所したジャックは、元の生活には戻れずに家を出てモーテル住まいを始める。

何日も家を空けたポールは、メアリーが故郷ロンドンに戻ることを知り円満に別れようとするが、彼女の答えは冷ややかだった。

事故現場を見る気になったクリスティーナは、夫や娘のことを想い、ジャックは独りモーテルの部屋で、それぞれ苦しむ日々が続く。

クリスティーナのドラッグを止めさせようとするポールだったが、情緒不安定に近い彼女は、ジャックを殺すべきだと言って泣き叫ぶ。

ジャックが、モーテル住まいを始めたことを知ったポールは、拳銃を手に入れて彼の行動も監視する。

そのモーテルでクリスティーナと愛し合ったポールは、翌朝、部屋を出たジャックに銃を向けて、裏地に連れて行く。

数発発砲したポールは、助かったかもしれない少女達を現場に置き去りにしたジャックを責めて、彼に立ち去るよう指示する。

気分が優れないまま、モーテルに戻ったポールは、ジャックを殺したことをクリスティーナに告げて部屋で休む。

その夜、モーテルに戻ったジャックは、ポールの部屋に押し入り、彼に自分を殺させようとする。

気を失いかけて倒れたポールに代わり、クリスティーナがジャックを叩きのめす。

しかし、ポールは自分を銃撃し、クリスティーナとジャックは彼を病院に運ぶ。

病院で、輸血が必要なポールのために、クリスティーナは血液検査をするが、薬物摂取のためにそれが使えないことと、妊娠していることを知らされる。

その後、ジャックは家族の元に戻り、クリスティーナは生まれて来る子供のためにドラッグを止めその準備をする。

ポールは、人が死ぬ時に21グラム体重が減ると言うが、それが何の重さなのかを考えながら人生を終えた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
数学教授ポール・リヴァースは、心臓病ので余命1カ月と宣言され、移植手術のためのドナーを探していた。
平凡な主婦クリスティーナは、夫と娘達が事故に遭ったとの知らせを受けて病院に駆けつける。
しかし、幼い娘達は亡くなり夫は脳死状態となり、クリスティーナは、臓器提供を迫られる。
三人をひき逃げしたジャックは、前科者ではあったが、今では改心して信仰深い地道な生活を送っていた。
妻マリアンヌの制止を聞かず、帰宅していたジャックは、神への義務だと言って警察に出頭する。
その後、クリスティーナの夫の心臓を提供されたポールの手術は成功して、彼はその感謝の気持で、規則違反と知りつつドナーを探し当てる。
ドナーの妻クリスティーナが、家族を失ったことを知ったポールは、その後、彼女を監視して接触を試みるのだが・・・。
__________

メキシコの鬼才アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが、盟友とも言えるスタッフらと共に、ハリウッドの実力派スターを揃えて描いた異色のドラマ。

冒頭から、過去、現在、そして今後に起きる出来事が入り乱れる構成に、内容を把握するまでは戸惑いを感じてしまう。

しかし、それが理解できてくると、衝撃の愛憎劇として観る者をドラマに引き込む、その演出と編集は見事だ。

人間は亡くなる時に21グラムだけ体重が減る、そのわずかな物が”魂”だという、人間の命の重みを訴えるテーマが確りと描かれている。
参考:ダンカン・マクドゥーガルの、魂を計測しようとして実験。

北米では拡大公開されず、商業ベースに乗った作品ではないが、評価は高かった作品。

製作費 $20,000,000
北米興行収入 $16,248,700
世界 $60,427,840

第76回アカデミー賞では、主演女優(ナオミ・ワッツ)、助演男優(ベニチオ・デル・トロ)にノミネートされた。

死を目前にして新しい”命”を得ながら、その死の意味を考えつつ運命の日々を生き抜く主人公を好演するショーン・ペン、リアリズムを追求した体当たりの演技で、家族を失う絶望の淵の女性を迫真の演技で演ずるナオミ・ワッツ、自分に降り注ぐ試練を受け入れる信仰深い男を熱演するベニチオ・デル・トロ、その妻を印象的に演ずるメリッサ・レオ、主人公の妻でジェーン・バーキンの娘シャルロット・ゲンズブール、クリスティーナ(N・ワッツ)の夫ダニー・ヒューストン、妹クレア・デュヴァル、牧師エディー・マーサン、産婦人科医ジョン・ルビンシュタイン、外科医デニス・オヘアなどが共演している。


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