1962年に公開された、フランス人監督クリス・マルケルの短編ファンタジー映画「ラ・ジュテ」を基に製作された作品。 人類滅亡の危機を救う任務を命ぜられた終身犯の活躍を描く、監督テリー・ギリアム、主演ブルース・ウィリス、マデリーン・ストウ、ブラッド・ピット、クリストファー・プラマー、デヴィッド・モース他共演のSFサスペンス。 |
・SF
・ブルース・ウィリス / Bruce Willis 作品一覧
・ブラッド・ピット / Brad Pitt 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:テリー・ギリアム
製作総指揮
ロバート・コスバーグ
ロバート・カヴァロ
ゲイリー・レヴィンソン
製作:チャールズ・ローヴェン
原案:クリス・マルケル”ラ・ジュテ”
脚本
デヴィッド・ピープルズ
ジャネット・ピープルズ
撮影:ロジャー・プラット
衣装デザイン:ジュリー・ウェイズ
編集:ミック・オーズレー
音楽:ポール・バックマスター
出演
ジェームズ・コール:ブルース・ウィリス
キャサリン・ライリー:マデリーン・ストウ
ジェフリー・ゴインズ:ブラッド・ピット
ゴインズ博士:クリストファー・プラマー
ピータース博士:デヴィッド・モース
フレッチャー医師:フランク・ゴーシン
ホセ:ジョン・セダ
ハルプリン警部補:クリストファー・メローニ
植物学者:H・マイケル・ウォールズ
地質学者:ボブ・エイドリアン
動物学者:サイモン・ジョーンズ
ジョーンズ/天体物理学者:キャロル・フローレンス
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1995年製作 129分
公開
北米:1995年12月29日
日本:1996年6月29日
製作費 $29,000,000
北米興行収入 $56,882,000
世界 $157,900,000
■ アカデミー賞 ■
第68回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(ブラッド・ピット)
衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
20世紀末に発生したウィルスで、人類の殆どは死滅し、生き残った者は地下生活を余儀なくされた。
21世紀初頭。
終身犯ジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は、減刑されるという条件で、ある任務を強要される。
1990年4月、ボルチモア。
過去に送られたコールは、精神科医のキャサリン・ライリー(マデリーン・ストウ)に面会した後に、精神病院に送られる。
コールは、患者のジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)を紹介され、彼から病院内の様子の説明を受ける。
その後、フレッチャー医師(フランク・ゴーシン)やライリーら、医師団の質問を受けたコールは、1996-1997年に人類の50億人がウィルスによって死滅することを伝える。 ”12モンキーズ”という謎の言葉を携え、未来から来たことを語るコールだったが、当然それを信ずる者はいなかった。 病院から脱出するチャンスを窺っていたコールは、ジェフリーが騒ぎを起こした隙に逃亡するが、間もなく捕らえられて拘束されてしまう。 ライリーは、コールの担当医としてフレッチャーに責任を問われるが、彼女は過去にコールに会った気がすることを伝える。 しかし、拘束したはずだったコールは姿を消してしまい、彼は”12モンキーズ”の情報入手の確認のため、未来に戻されていた。 コールは、1990年に送られてしまったことを伝え、もう一度チャンスを与えられ1996年に送られる。 第一次大戦中の1917年に送られてしまったコールは、同じ囚人のホセ(ジョン・セダ)に出くわし、足を銃で撃たれる。 1996年11月。 その後コールは、いつも見る、自分が登場する空港の夢で、取り乱している女性がライリーだと気づく。 その頃、ライリーがコールに誘拐されたという報道が流れ、二人もそれを知る。 コールは、”12モンキーズ”が、ウィルスをばら撒いた秘密軍団で、その”ウィルス”情報を、科学者に渡して治療法を知らせることが、自分の任務だとライリーに伝える。 フィラデルフィアの動物解放協会で、手掛かりを得たコールは、それにジェフリーが絡んでいるのを知る。 ジェフリーは、細菌学者で、ノーベル賞受賞者でもある父親ゴインズ博士(クリストファー・プラマー)の、動物実験に反対して、過激な行動に出たということだった。 さらにジェフリーは、11人の仲間と地下軍団を組織し、人間狩りを始めたということを聞いたコールは、それこそが、捜していた”12モンキーズ”だということに気づく。 その後、ジェフリーは仲間を裏切り、一転、父親の実験は必要だと主張し始め、その行為を指示したということだった。 ゴインズの屋敷に向かったコールは、ジェフリーと面会するが、彼から面識がないと言われてしまう。 コールが、すかさず”モンキーズ”と口にすると、ジェフリーは態度を一変させる。 ウィルスの情報を得られないコールは、自分がそれを盗むことを考えたとジェフリーに言われ、混乱して取り押さえられそうになるもののそれを逃れる。 報道では、ライリーは殺され、バラバラの死体で発見されたことになっていたが、コールが彼女を車のトランクに閉じ込めていた。 コールは、人類を絶滅に追い込んだのが自分なのか混乱するが、ライリーはそれを妄想だと言い、精神科医として治療することを約束する。 その後、自首を勧めるライリーの前からコールは姿を消し、警察に保護された彼女は、コールを擁護して、彼が病気だということをハルプリン警部補(クリストファー・メローニ)に説 未来に戻っていたコールは、ジェフリーなどの情報を得た成果で自由の身となるが、彼はそれを妄想だと言って信じない。 ある事件を予測した、コールの言葉を気にしたライリーは、50億人が死滅すると言う、彼の予言を信じ、フレッチャーにそれを伝える。 警察のハルプリンから連絡を受けたライリーは、コールの足から摘出した銃弾が、1920年前後のものだと知る。 そしてライリーは、自分の著書に掲載された、第一次大戦中の兵士(ホセ)の写真の横に、コールが写っているのに気づく。 ライリーは、ゴインズ博士に、息子ジェフリーが”モンキーズ”に関係していることなどを電話で伝える。 それを聞き流したゴインズだったが、助手のピータース博士(デヴィッド・モース)に警戒態勢を強化するよう指示する。 動物解放協会の前で、戻ってきたコールに再会したライリーは、監視する警察から逃れる. 同じ頃、ジェフリーが、ある大規模な計画を実行しようとしていた。 ホテルに身を隠したライリーとコールだったが、彼は全てが自分の妄想だと語り始める。 第一次大戦の写真をコールに見せたライリーは、現実に起ころうとしている人類の死滅を、黙ってみている訳にはいかないことを彼に伝える。 6年前に、コールがかけた電話番号を思い出させたライリーは、それがカーペットの掃除会社だと知り、未来の科学者でないことが分かる。 動物解放協会が”12モンキーズ”のアジトで、彼らが事を起こすというテープの録音を思い出したコールは、ライリーにそれを伝える。 ジェフリーは父ゴインズを誘拐し、ウィルス保管施設の警備が厳しいことを知らされるが、手を打ってあることを父に伝える。 ヒッチコック作品を上映する映画館内で、コールとライリーは変装して空港に向かおうとする。 コールは、変装で容姿を変えたライリーが、やはり夢の女性であったことを知り、彼女はコールを以前から知っていた気がすることを伝える。 二人は空港に向かう途中、”12モンキーズ”が動物園の動物を逃がし、科学者を檻に閉じ込めた事件があったことを知る。 ライリーは、ハイウェイをキリンが走り去る姿を見て、ジェフリーらが起こしたかった事が、このことだったのかということを理解して思わず笑ってしまう。 空港に着いた二人は、ライリーがチケットを手配し、コールはもう一度”カーペット掃除会社”に電話する。 コールは相手に、”12モンキーズ”がウィルス感染を起こす者達でないことを伝える。 その後、コールの前にホセが現れ、犯人を射殺する指示に従うよう強要される。 ライリーは、自分の講演会に出席していたことで、顔を覚えていたゴインズの助手ピータースが犯人だと知り、それをコールに伝える。 手荷物のチェックをパスした、ピータースが向かった搭乗口で、彼を見つけたコールは銃を抜くが、駆けつけた警官に撃たれてしまう。 ライリーは、コールの元に駆け寄るが彼は息を引き取り、彼女はそれを目撃していたまだ少年のコールに気づく。 無事搭乗したピータースは、救済保険業者だという、コールを派遣した未来の科学者、ジョーンズ(キャロル・フローレンス)の隣の席に座り挨拶する。
...全てを見る(結末あり)
講演を終えたライリーは、現れたコールに強引に車に乗せられてフィラデルフィアに向かい、”12モンキーズ”を捜そうとする。
明する。
*(簡略ストー リー)
終身犯のジェームズ・コールは、ウィルスで死滅寸前の、人類の危機を救うために過去に送られる。
”12モンキーズ”という謎の言葉を携え、時空を越えたコールは、間違った年に送られてしまい、精神科医ライリーの患者になり監視される。
ジェフリーという患者に出会ったコールだったが、ウィルスの情報は得られず、彼は一旦、未来に戻され、再び”運命”の年に送られる。
コールはライリーを誘拐し、彼女の協力を得ながら、ウィルスの手掛かりを捜そうとするが、著名な細菌学者ゴインズの息子であったジェフリーが、”12モンキーズ”に関係していることを突き止める・・・。
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未来、過去、現在を駆け巡る、テリー・ギリアムらしい、超現実的なビジュアル効果は、ファンならずとも独特の世界観を堪能できる。
ベースはSFではあるのだが、サスペンス、アクション、ファンタジー、さらにはコミカルなシーンと、どの分野に当てはめても通用する、不可思議な映像表現で進行する異色作でもある。
北米興行収入は約5700万ドル弱に留まるが、全世界では約1億5800万ドルのヒットとなった。
第68回アカデミー賞では、助演男優賞(ブラッド・ピット)と衣装デザイン賞にノミネートされた。
1990年代を代表するアクション・スターのブルース・ウィリスは、未来と過去、現実と妄想が混在する時空の旅で混乱する、クセのある終身犯役を熱演している。
ヒロインのマデリーン・ストウは、やや役柄に成り切っていないような気もするが、相変わらず美しく、変装した彼女は別人のようで新鮮でもある。
後半は大人しくなるが、ブラッド・ピットの序盤の精神異常者の演技は、美男イメージを払拭する出色の怪演だ。
彼の父親で、著名な細菌学者クリストファー・プラマー、その助手役デヴィッド・モース、精神科医フランク・ゴーシン、囚人ジョン・セダ、警部補のクリストファー・メローニ、未来の科学者H・マイケル・ウォールズ、ボブ・エイドリアン、サイモン・ジョーンズ、キャロル・フローレンスなどが共演している。