登山家アーロン・ラルストンが事故で片腕を失った実体験を基に2004年に発表された自伝”Between a Rock and a Hard Place”の映画化。 製作、監督ダニー・ボイル、主演ジェームズ・フランコで製作された作品。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダニー・ボイル
製作総指揮
バーナード・ベリュー
リサ・マリア・ファルコーネ
フランソワ・イヴェルネル
ジョン・J・ケリー
キャメロン・マクラッケン
テッサ・ロス
製作
ダニー・ボイル
クリスチャン・コルソン
ジョン・スミッソン
原作:アーロン・ラルストン
”Between a Rock and a Hard Place”
脚本
ダニー・ボイル
サイモン・ボーファイ
撮影
アンソニー・ドッド・マントル
エンリケ・チェディアック
編集:ジョン・ハリス
音楽:A・R・ラフマーン
出演
アーロン・ラルストン:ジェームズ・フランコ
クリスティ・ムーア:ケイト・マーラ
ミーガン・マックブライド:アンバー・タンブリン
ラナ:クレマンス・ポエジー
ソニヤ・ラルストン:リジー・キャプラン
ドナ・ラルストン:ケイト・バートン
ラリー・ラルストン:トリート・ウィリアムズ
アメリカ/イギリス 映画
配給
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
パテ
2010年製作 94分
公開
イギリス:2011年1月7日
北米:2010年11月12日
日本:2011年6月18日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $18,335,200
世界 $60,738,800
■ アカデミー賞 ■
第83回アカデミー賞
・ノミネート
作品
主演男優(ジェームズ・フランコ)
脚色・編集
作曲・歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2003年4月25日。
登山家アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は、ユタ州のキャニオンランズ国立公園に、キャニオニングに行く準備を始める。
軽食や飲料水などを、ラルストンは無造作にバッグに詰め込み、車で現地に向かう。
そして、国立公園のホースシュー・キャニオンに着いたラルストンは、車内で睡眠をとる。
土曜日。
マウンテンバイクに乗ったラルストンは、目的地”ブッグ・ドロップ”まで45分の短縮を狙い荒野を駆ける。
その後、徒歩で先を急いだラルストンは、道に迷っているクリスティ・ムーア(ケイト・マーラ)とミーガン・マックブライド(アンバー・タンブリン)に出くわす。 二人を、”ワイルドバンチ”の隠れ場所だった”Robbers Roost”の地下プールに案内したラルストンは、彼女らと、岩の隙間から落下するダイビングを何度も楽しむ。 その後、ラルストンと二人は別れることになり、彼は、翌日のグリーン・リバーでのパーティーに誘われ、場所を確認して、自分の目的地に向う。 ブルー・ジョン・キャニオンに着いたラルストンは、岩と共に落下してしまい、右腕が岩盤とその岩に挟まり、移動不能になってしまう。 何をしても岩は全く動かず、ラルストンは、クリスティとミーガンの名前を叫ぶものの、彼女らがそれに気づくはずもなかった。 焦っても仕方のないことに気づいたラルストンは、まず、飲料水の節約を心がけ、所持品を確認し、万能ナイフで岩を削り始める。 ラルストンは、岩を削り続けるが、ナイフを地面に落としてしまい、足の指に小枝を挟み、何とかそれを手元に戻すことが出来る。 その後も岩を削っていたラルストンは、時計で日がかわることを確認する。 日曜日。 世が明けて朝日が差し込み、ラルストンは、冷え切った足や左手を日の光に当てる。 その日の午後、最悪のことを考えたラルストンは、ビデオカメラに向かい状況を説明し、両親ラリーとドナ(トリート・ウィリアムズ/ケイト・バートン)にメッセージを残す。 そして再び夜になり、ラルストンは、所持品を使い防寒対策をして寒さを凌ぐ。 スナックを口にしたラルストンは、クリスティとミーガンに誘われたパーティーのことを考え、残り少ない水を飲み、コンタクトレンズを外して、それをなめる。 月曜日。 岩を削っても、それが腕にのしかかるだけだと気づいたラルストンは、キャメルバックのチューブとカラビナを使い止血帯の代わりにして、右腕を切断することを考えるが、中国製の粗悪品のナイフでは、皮膚をすら切ることが出来ない。 その後、家族のことなどを思い出しながら、朦朧としていたラルストンは、ボトルを落として、残り少ない水をこぼしてしまう。 恋人ラナ(クレマンス・ポエジー)とのことを考えていたラルストンは、突然の雨に驚く。 豪雨となり、岩の隙間には雨水が大量に流れ込み、溺れそうになったラルストンは、それにより岩が動き脱出して、ラナの家に向かうが、彼女に家に入れてもらえない悪夢を見てしまう。 火曜日。 ボトルの水もなくなり、ナイフを腕に突き刺したラルストンは、骨を砕くことが出来ずに再び切断を諦め、傷口の血液をなめる。 水曜日。 木曜日。 その後、まだ生まれていない、自分の息子の幻覚を見たラルストンは、右手の腕の骨を折り、激痛に耐えながら腕を切断する。 5日振りに岩から離れることが出来たラルストンは、傷口をビニールで覆い、岩と腕を写真に撮りその場を離れる。 岸壁の下に水場を見つけたラルストンは、ロープでそこに向かい、水を補給して歩き始める。 意識が薄れる中、ラルストンは、ある家族を見つけて助けを求める。 そして、彼らの連絡で、”ユタ・ハイウェイ・パトロール”のヘリコプターが到着し、ラルストンは、治療のために病院に運ばれる。 一命を取り留めたラルストンの見たことは現実となり、彼は、3年後にジェシカ・トラスティと出会い、2010年2月に、長男のレオが誕生する。 行き先を書いたメモを必ず残して・・・。
...全てを見る(結末あり)
上部の岩にベルトをかけ、体を支えたラルストンは、寒さに耐えながら仮眠を取る。
クライミングロープやベルトを利用して、何とか岩を動かそうとするラルストンだったが、それはびくとも動かない。
ビデオカメラに向かい、陽気に振舞うラルストンだったが、死を覚悟して、母親への愛を語る。
ラルストンは、ためておいた尿を無理して飲み、プールで、自分が知らぬ間に録画されていたクリスティとミーガンの映像を見て気を紛らし、自分の生きた年数と名前を岸壁に刻む。
夜が明けて、ラナと別れた時のことや結婚式に出席できなかった妹ソニヤ(リジー・キャプラン)を思い出したラルストンは、自分の人生が、すべてこの場所へとつながっていたと考えていることなどを、カメラに語りかけたところで電池が切れる。
*(簡略ストー リー)
2003年4月25日。
登山家アーロン・ラルストンは、ユタ州のキャニオンランズ国立公園に、キャニオニングに向う準備をして現場に向う。
翌日、目的地付近で、女性の二人組クリスティとミーガンに出会い、ひと時を楽しんだラルストンは、二人と別れ、ブルー・ジョン・キャニオンに向う。
そこでラルストンは、岩盤の隙間に岩と共に落下してしまい、その岩に右手が挟まれて移動できない状態になってしまう。
岩は何をしても動かず、焦ったラルストンだったが、冷静さを取り戻して所持品を確認し、万能ナイフで岩を削り始める。
残り少ない飲み水と食料を節約し、夜の寒さを凌いだラルストンだったが、次第に不安は募る。
ビデオカメラに向かい、両親へのメッセージを残したラルストンは、知恵を絞り、何とか脱出方法を考えるのだが、時間だけが空しく過ぎてゆく。
ラルストンは、家族や恋人ルナのことを想いながら、絶望しかけながら考えた末に、究極の手段として、挟まった右腕を切断することを考えるのだが・・・。
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監督ダニー・ボイルをはじめ、アカデミー作品賞他を獲得し絶賛された、「スラムドッグ$ミリオネア」(2008)のスタッフがほぼ再集結した作品で、同作同様、躍動感あるA・R・ラフマーンの音楽や映像が印象に残る。
第83回アカデミー賞では作品賞をはじめ6部門にノミネートされた。
・ノミネート
作品
主演男優(ジェームズ・フランコ)
脚色・編集
作曲・歌曲賞
主人公が生還するのは周知の事実であり、その脱出方法も有名な話であるため、その生還までの時間を示す”127時間”というタイトルが重々しく感じ、それが5日あまりと考えると、観る前から恐ろしくもなる。
肉体的、精神的にも追い込まれながら、あの状況下で、主人公が、自らの手で腕を切断するということを知りながら観るのには、やや覚悟がいる。
極限状態と絶望の中で人生を感じ取り、奇跡の生還を果たす主人公、楽天家でもある知的な登山家のアーロン・ラルストンを、ジェームズ・フランコは、キャリア最高のパフォーマンスを見せ、ほぼ独演で演じ切っている。
現場近くで主人公に出会う女性、ケイト・マーラとアンバー・タンブリン、主人公の恋人クレマンス・ポエジー、主人公の妹リジー・キャプラン、両親のケイト・バートン、トリート・ウィリアムズなどが共演している。